賃貸物件を借りる際に、オーナーから家賃保証会社の利用を求められるケースがあります。
その場合は、家賃保証会社による審査を受ける必要があります。
しかし、家賃保証会社は審査で具体的に何を調べるのか気になる人も多いでしょう。
この記事では、家賃保証会社の審査内容や、審査に通らなかった場合の対処法について解説します。
目次
家賃保証会社の基礎知識
家賃保証会社とは、入居者が家賃を滞納した際に、入居者に代わって家賃の支払い保証をする会社のことです。
国土交通省の資料によると、賃貸物件における家賃保証会社の利用率は、2021年時点で約80%にもおよびます。
家賃保証会社の主な保証範囲は以下のとおりです。
- 入居者が滞納した月額の費用(家賃・管理費・駐車場代など)
- 入居者が支払わなかった一時金(更新料・退去時の原状回復費用など)
- 入居者が賃貸借契約に違反して支払わなかった費用(違約金・損害金など)
- トラブルによる訴訟費用
家賃保証会社の利用には保証料が必要で、初回契約時に家賃の0.5〜1か月分支払うケースが一般的です。
家賃保証会社の審査に必要な書類
家賃保証会社の審査には、主に以下の書類が必要です。
必要書類 | 主な審査内容 |
申込書 | 個人情報・勤務先・雇用形態 |
本人確認書類(運転免許証・保険証など) | 年齢・個人の信用情報(過去の滞納歴など) |
収入を証明する書類(源泉徴収票・確定申告書の写しなど) | 年収・所得 |
賃貸物件や家賃保証会社によって必要書類は異なるため、あらかじめ不動産会社に確認しておきましょう。
家賃保証会社の審査は何を調べる?
家賃保証会社の審査では、主に以下の内容を調べられます。
- 勤務先や雇用形態
- 家賃の支払い能力
- 家賃やクレジットカードなどの滞納履歴
それぞれ詳しく解説します。
勤務先や雇用形態
家賃保証会社は、入居者の勤務先や雇用形態を確認します。
正社員で安定した収入がある人は、審査に通りやすい傾向にあります。
一方、個人事業主やアルバイトの人は、収入が不安定になりやすいため、審査が厳しくなりやすいでしょう。
家賃の支払い能力
家賃保証会社は、入居者の年収から家賃の支払い能力を判断します。
一般的に、家賃が手取り額の3割以下であれば問題ありません。
たとえば、手取り額が25万円の場合、家賃は7.5万円以下が目安です。
収入に対して家賃が高すぎると、支払いが滞るリスクが高いと判断され、審査に通りにくくなります。
家賃やクレジットカードなどの滞納履歴
家賃保証会社によっては、信用情報機関で過去の家賃の支払い状況やクレジットカードの利用履歴を確認します。
滞納履歴は、信用情報機関に約5〜7年間記録として残ってしまい、一般的にはこの状態を「ブラックリストに載る」といわれます。
家賃やクレジットカードの滞納履歴があると、家賃の支払い能力に問題があると判断され、審査に通りにくくなるでしょう。
家賃保証会社の審査に通らなかった場合の対処法
家賃保証会社の審査に通らなかった場合は、以下の対処法を実践しましょう。
- ブラックリストに載っているかを確認する
- 他の家賃保証会社で再審査を受ける
- 家賃保証会社不要の賃貸物件に申し込む
それぞれ詳しく解説します。
ブラックリストに載っているかを確認する
家賃保証会社の審査に落ちたら、信用情報機関に自分の情報を開示請求し、滞納履歴の記録があるかを確認してみましょう。
開示請求の手続き方法や手数料の金額などは、信用情報機関によって異なります。
実際に確認する際は、以下の信用情報機関のホームページを確認しましょう。
信用情報機関 | 加盟している主な機関 |
銀行・信用金庫など | |
クレジットカード会社系 | |
消費者金融系 |
他の家賃保証会社で再審査を受ける
家賃保証会社は、原則としてオーナーや管理会社から指定され、入居を申し込むお客さんが家賃保証会社を選べません。
もし、審査に落ちても他の家賃保証会社の選択肢があれば、再審査を受けられるケースがあります。
しかし、ブラックリストに載っていると、家賃保証会社を変えても審査に落ちる可能性が高くなります。
その場合は、独立系の家賃保証会社を選ぶと良いでしょう。
独立系の保証会社は、個人信用情報の照会や他社との情報共有も行わないため、ブラックリストに載っていても審査に通る可能性があります。
独立系の主な家賃保証会社は以下のとおりです。(※2024年11月時点)
- 株式会社Casa
- 日本セーフティー株式会社
- ハウスリーブ株式会社
- フォーシーズ株式会社
- 株式会社ラクーンレント
もし、家賃保証会社の再審査ができない場合は、独立系の保証会社に対応している賃貸物件を探すことで、審査に通る可能性があります。
家賃保証会社不要の賃貸物件に申し込む
家賃保証会社の審査に落ちる人は、最初から保証会社を利用する必要がない賃貸物件に絞るのも1つの方法です。
賃貸物件によっては、連帯保証人を立てることで申し込める場合があるので、希望のエリアでそのような賃貸物件がないか探してみましょう。
家賃保証会社の審査に関するよくある質問
家賃保証会社の審査でよくある質問を3つ紹介します。
- 家賃保証会社の審査で落ちる確率は?
- 家賃保証会社の審査で借金はバレる?
- 連帯保証人を立てたら家賃保証会社の審査は不要?
それぞれ詳しく解説します。
家賃保証会社の審査で落ちる確率は?
家賃保証会社の審査を含め、入居審査に落ちる確率は一般的に10〜20%程度といわれています。
都市部の人気物件では審査が厳しく、地方や郊外の物件では審査が緩い傾向があります。
オーナーや家賃保証会社によって審査基準は異なり、審査に落ちても理由は教えてもらえません。
そのため、家賃保証会社の審査に落ちた場合は、どこに問題があったか見直すようにしましょう。
家賃保証会社の審査で借金はバレる?
家賃保証会社によっては、個人の信用情報を確認するため、過去の借金の履歴は把握される可能性があります。
しかし、延滞することなく借金を返済している借金は、審査に大きな影響を与えません。
ただし、収入に対する借金の返済額が大きいと、家賃の支払いが困難になるリスクが高いと判断されてしまい、審査に通りにくくなります。
連帯保証人を立てたら家賃保証会社の審査は不要?
連帯保証人を立てても、オーナーが家賃保証会社の利用を契約条件にしている場合は、審査を受ける必要があります。
家賃保証会社を利用したくない場合は、連帯保証人のみで借りられる賃貸物件を探しましょう。
まとめ
家賃保証会社は、入居者が家賃を滞納した際に、入居者に代わって家賃の支払い保証をする会社のことです。
家賃保証会社を利用するには審査が必要になり、主に以下のような内容がチェックされます。
- 勤務先や雇用形態
- 家賃の支払い能力
- 家賃やクレジットカードなどの滞納履歴
家賃保証会社の審査に通らない場合、選択肢があれば他の会社で再審査を受けたり、家賃保証会社不要の賃貸物件を選んだりする方法があります。
家賃保証会社の審査は、家賃の支払い能力を重視しており、年収や雇用形態などから総合的に判断されます。
毎月無理なく家賃を支払うには、家賃が手取り額の3割以下の賃貸物件を選びましょう。
iimon 編集部