賃貸物件を借りる際、かつては連帯保証人を立てることが一般的でしたが、近年では家賃保証会社の利用が求められるケースが多くなっています。
家賃保証会社の審査に落ちてしまうと、希望の賃貸物件に入居できない可能性が高くなるでしょう。
この記事では、家賃保証会社の審査に落ちた理由や保証会社の種類について解説します。
この記事を読めば、家賃保証会社の審査通過率を高められ、審査に落ちた場合の対処法も理解できるので、ぜひ最後までご覧ください。
なお、家賃保証会社について詳しく知りたい人は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:家賃保証会社とは?保証料の相場は?利用するメリット・デメリットをご紹介
目次
【賃貸】家賃保証会社の審査に落ちた理由
家賃保証会社の審査に落ちる主な理由は以下のとおりです。
- 家賃の支払い能力に問題がある
- 家賃やクレジットカードなどの滞納履歴がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
家賃の支払い能力に問題がある
家賃保証会社は、入居者の収入や職業などから家賃の支払い能力を判断します。
収入に対する家賃の比率が高いと、支払い能力を不安視され、審査に落ちやすくなるでしょう。
一般的に、家賃は手取り額の3割以下が1つの目安とされています。
家賃を手取り額の2〜3割とした場合、手取り額別の家賃の目安は以下のとおりです。
手取り額 | 家賃の目安 |
15万円 | 3〜4.5万円 |
20万円 | 4〜6万円 |
25万円 | 5〜7.5万円 |
30万円 | 6〜9万円 |
35万円 | 7〜10.5万円 |
40万円 | 8〜12万円 |
また、以下のような人も、家賃の支払い能力に不安があるとみなされやすいでしょう。
- アルバイト・契約社員・高齢者など収入が不安定な人
- 勤続年数が短い人
- フリーランスで収入の証明が難しい人
家賃保証会社は、入居者が家賃を滞納せずに安定して支払えるかを重視するため、収入が不安定な場合は慎重に審査されます。
もし、収入が不安定な場合は、預金通帳のコピーを提出して貯金額を伝えたり、連帯保証人を立てたりすることで審査に通りやすくなるでしょう。
家賃やクレジットカードなどの滞納履歴がある
家賃やクレジットカード、公共料金などの滞納履歴がある場合、審査に落ちる可能性が高くなります。
滞納履歴は信用情報機関に約5〜7年間記録が残り、一般的にはこの状態を「ブラックリストに載る」といわれます。
そうなると、しばらくの間クレジットカードの新規作成や賃貸物件の審査などに悪影響を及ぼすため、滞納しないように注意しましょう。
家賃保証会社の種類と特徴
家賃保証会社には、主に以下の3種類があります。
- 信販系の保証会社
- 協会系の保証会社
- 独立系の保証会社
それぞれの特徴について、詳しく見ていきましょう。
信販系の保証会社
信販系の保証会社とは、大手クレジットカード会社やローン会社が運営する保証会社のことです。
CIC(指定信用情報機関)やJICC(日本信用情報機構)などに記録されている個人信用情報を照会し、審査に活用しているため、審査の難易度が高いといわれています。
信販系の主な保証会社は以下のとおりです。
<信販系の主な保証会社>※2024年11月時点
- 株式会社アプラス
- 株式会社オリコフォレントインシュア
- 株式会社セゾン
- 株式会社エポスカード
- 株式会社ジャックス
信販系の保証会社は、個人信用情報を照会して審査を行うため、収入や信用情報に問題があると審査にほぼ通らないでしょう。
協会系の保証会社
協会系の保証会社とは、LICC(全国賃貸保証業協会)に加入している保証会社のことです。
入居者の申し込み情報や家賃滞納履歴などの情報を協会内で共有しており、大半の加盟店が同じ審査基準を設けています。
協会系の主な保証会社は以下のとおりです。
<協会系の主な保証会社>※2024年11月時点
- アーク株式会社
- 株式会社アルファー
- エルズサポート株式会社
- 興和アシスト株式会社
- ジェイリース株式会社
- 全保連株式会社
- 賃住保証サービス株式会社
- ホームネット株式会社
もし、協会系の保証会社の審査に落ちた場合、他の協会系の保証会社で審査しても落ちる可能性は極めて高いでしょう。
独立系の保証会社
独立系の保証会社とは、各社単体で独自に審査を行っている保証会社のことです。
入居者の収入や雇用形態など、申し込まれた情報のみで審査を行います。
独立系の主な保証会社は以下のとおりです。
<独立系の主な保証会社>※2024年11月時点
- 株式会社Casa
- 日本セーフティー株式会社
- ハウスリーブ株式会社
- フォーシーズ株式会社
- 株式会社ラクーンレント
独立系の保証会社は個人信用情報を照会せず、他社との情報共有も行わないため、1社の審査に落ちても他の保証会社で審査に通る可能性があります。
すなわち、独立系の保証会社が最も審査基準が緩いといえます。
家賃保証会社の審査に落ちた際の対処法
家賃保証会社の審査に落ちた場合の対処法として、以下の内容を押さえておきましょう。
- ブラックリストに載っているかを確認する
- 異なる種類の保証会社に申し込む
- 保証会社不要の賃貸物件に申し込む
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ブラックリストに載っているかを確認する
まずは、信用情報機関に自分の情報を開示請求し、滞納履歴がないか確認してみましょう。
開示請求の手続きを行うことで、自分がブラックリストに載っているかを調べられます。
開示請求の手続きや手数料の有無などは、信用情報機関によって異なります。
実際に確認する際は、以下の信用情報機関のホームページを確認しましょう。
信用情報機関 | 加盟している主な機関 |
銀行・信用金庫など | |
クレジットカード会社系 | |
消費者金融系 |
異なる種類の保証会社に申し込む
審査に落ちた場合でも、異なる種類の保証会社に申し込むことで審査に通る可能性があります。
独立系の保証会社は審査基準が比較的緩いため、信販系で落ちた場合に選択肢として検討しましょう。
ただし、入居者が保証会社を自由に選べません。
オーナーが決めた保証会社の中から選ぶ必要があるため、希望の保証会社で審査を受けたい人は、入居を申し込む前に確認しましょう。
保証会社不要の賃貸物件に申し込む
保証会社の審査に落ちる人は、最初から保証会社不要の賃貸物件に絞って申し込むのも1つの方法です。
国土交通省の資料によると、家賃保証会社の利用率は2021年時点で約80%となっています。
そのため、保証会社不要の賃貸物件は数が少ないデメリットはあるものの、希望のエリアで該当する賃貸物件がないか探してみると良いでしょう。
まとめ
家賃保証会社の審査に落ちる主な理由は以下のとおりです。
- 家賃の支払い能力に問題がある
- 家賃やクレジットカードなどの滞納履歴がある
家賃保証会社は、入居者が家賃を毎月安定して支払えるかどうかを重視しているため、収入が不安定であったり家賃の滞納履歴があったりすると、審査に落ちやすくなります。
なお、家賃保証会社には信販系・協会系・独立系などの種類があり、独立系の保証会社の審査が比較的緩い傾向があります。
保証会社の審査に落ちた場合は、異なる種類の保証会社で再審査を依頼したり、保証会社不要の賃貸物件を探したりなどの対処法を実践しましょう。
iimon 編集部