賃貸物件の入居審査において、「年収」は重要な審査項目のひとつです。
入居審査に求められる一般的な基準は、年収が家賃の36倍以上あることです。
たとえば、家賃6万円の賃貸物件の場合、年収の目安は216万円以上になります。
ただし、年収から税金や保険料などが引かれるため、手取り額で考えるとより具体的にイメージできるでしょう。
この記事では、入居審査に落ちる理由や、家賃別の年収や手取り額の目安などを解説します。
低年収でも入居審査に通る方法も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
入居審査の基礎知識
そもそも入居審査とは、オーナーや管理会社が入居を申し込んだお客さんに賃貸物件を貸して問題ないかを審査することです。
入居審査では、具体的に以下のような内容をチェックされます。
- 家賃の支払い能力
- 家賃やクレジットカードなどの滞納履歴
- 連帯保証人の有無
- 入居者の人柄や態度
オーナーは、お客さんが入居中に家賃を滞納することがないように、収入や雇用形態などを重視します。
そのため、会社員のように安定した収入があると審査に通りやすいでしょう。
一方、個人事業主やアルバイトのように収入が不安定な人は、家賃の支払い能力に不安があると判断されやすくなります。
なお、入居審査では、主に以下の書類を提出する必要があります。
- 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 住民票
- 印鑑証明書
- 収入証明書(源泉徴収票や確定申告書の写しなど)
収入を証明する書類として、会社員の場合は源泉徴収票や給与明細書のコピー、個人事業主の場合は確定申告書の写しや納税証明書などの提出を求められます。
賃貸物件によって必要な書類は異なるため、事前に確認しておきましょう。
入居審査に落ちる理由
入居審査に落ちる主な理由として、以下のようなものがあります。
- 家賃が年収に見合っていない
- 近隣トラブルの懸念がある
- 過去に家賃やクレジットカードの滞納履歴がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
家賃が年収に見合っていない
家賃が年収に見合っていないと、入居審査に落ちる可能性が高くなるでしょう。
入居審査に求められる一般的な基準は、年収が家賃の36倍以上あることです。
さらに入居審査に通りやすくするには、家賃を手取り額の3割以下に抑えることがおすすめです。
収入に対して家賃が高すぎると、家計への負担が大きくなり、将来的に家賃の支払いが困難になる可能性が高くなります。
入居審査に落ちる場合は、自分の年収と家賃の金額に問題がないかを確認しましょう。
近隣トラブルの懸念がある
入居審査では、家賃の支払い能力以外にも、近隣トラブルのリスクもチェックされます。
たとえば、不動産会社への態度が高圧的であったり、提出書類に不備が多かったりするような人は、入居後に他の住人とトラブルになるリスクが高いと判断されてしまいます。
その結果、入居審査に落ちるケースもあるため、不動産会社やオーナーにマイナスの印象を持たれないように、応対や言葉遣いなどには十分注意しましょう。
過去に家賃やクレジットカードの滞納履歴がある
過去に家賃やクレジットカードの支払いなどで滞納してしまった場合、入居審査に落ちやすくなるでしょう。
滞納履歴は信用情報機関で照会すると確認でき、滞納履歴があると「家賃の支払い能力に問題あり」とみなされます。
滞納履歴の記録が削除されるまでは、一般的に5〜7年程度かかるため、支払いを滞納しないように注意しましょう。
【年収別】入居審査における家賃の目安
入居審査で求められる一般的な基準は、年収が家賃の36倍以上あることです。
ただし、年収からは税金や保険料などが引かれるため、手取り額でより具体的に考えるのがおすすめです。
入居審査に通りやすくするには、家賃を手取り額の3割以下に抑えましょう。
会社員の場合、手取り額は一般的に額面の75〜85%といわれています。
それらを踏まえて、入居審査における年収別の手取り額と家賃の目安をまとめると、以下のようになります。
年収 | 手取り額(年収) | 手取り額(月収) | 家賃の目安 |
300万円 | 225〜255万円 | 約18〜22万円 | 5〜6万円 |
400万円 | 300〜340万円 | 約25〜28万円 | 7〜8万円 |
500万円 | 375〜425万円 | 約31〜35万円 | 9〜10万円 |
600万円 | 450〜510万円 | 約37〜43万円 | 11〜12万円 |
700万円 | 525〜595万円 | 約43〜50万円 | 13〜14万円 |
800万円 | 600〜680万円 | 約50〜57万円 | 15〜17万円 |
手取り額が変動する理由は、地域や年収によって税金の税率や保険料の割合が異なるためです。
自分の年収と入居審査を受ける賃貸物件の家賃が、目安を大きく超えていないかを確認し、超えている場合は家賃の見直しを検討しましょう。
年収が低くても賃貸物件の入居審査に通る方法
年収が低くても、賃貸物件の入居審査に通りやすくするには、以下の方法を実践しましょう。
- 家賃を手取り額の3割以下に抑える
- 貯金額を提示する
- 連帯保証人を立てる
- 同棲や結婚している場合は連名で契約する
それぞれ詳しく解説します。
家賃を手取り額の3割以下に抑える
入居審査を通りやすくするには、家賃を手取り額の3割以下に抑えるようにしましょう。
家賃が手取り額の3割を超えると、「家賃を毎月無理なく支払ってもらえるのか」と、オーナーや管理会社に懸念される可能性が高くなります。
年収が低いと、家賃の負担は大きくなるため、無理なく支払える家賃の賃貸物件を選びましょう。
貯金額を提示する
オーナーに収入や雇用形態などで不安視される可能性がある場合は、預金通帳のコピーなどを提出して、貯金額を伝えるのがおすすめです。
収入が不安定であっても、まとまった貯金があれば審査に通る可能性は高くなるでしょう。
連帯保証人を立てる
親や兄弟など、親族に連帯保証人をお願いできる場合は、連帯保証人を立てることで審査に通りやすくなります。
連帯保証人とは、賃貸借契約において入居者の債務を保証する人のことです。
入居者が家賃を滞納した際に、連帯保証人はその責任を負わなければなりません。
入居者本人と同等の責任を負うため、連帯保証人がいればオーナーにとって安心材料になります。
同棲や結婚している場合は連名で契約する
同棲中のカップルや夫婦の場合は、2人が連名で賃貸借契約を結ぶことで審査に通りやすくなります。
連名で契約すると、2人が家賃の支払い義務を負うため、オーナーとしてはリスク回避につながります。
ただし、連名契約は手続きが複雑になりやすいため、可能であるかは事前にオーナーや不動産会社に確認しましょう。
まとめ
入居審査では、入居を申し込んだお客さんが、家賃の支払い能力があるかを重点的に審査されます。
入居審査に求められる一般的な基準は、年収が家賃の36倍以上あることです。
家賃が年収に見合っていなかったり、過去に家賃やクレジットカードの滞納履歴があると、審査に落ちやすくなります。
年収が低くても賃貸物件の入居審査に通りやすくするには、家賃を手取り額の3割以下に抑えて、貯金額を提示したり連帯保証人を立てたりするのが良いでしょう。
たとえば、年収300万円の場合、毎月の手取り額が約18〜22万円と試算でき、家賃は5〜6万円が1つの目安になります。
家賃の設定を誤ると、入居後の生活費のやりくりが厳しくなる可能性があるため、自分の年収で無理なく支払える家賃の賃貸物件を借りましょう。
iimon 編集部