賃貸借契約時に支払う前家賃とは?その他に必要な初期費用も解説

更新日:2024.06.10

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マンションやアパートなどの賃貸物件を借りる際は、初期費用を支払う必要があります。 初期費用のひとつに「前家賃」があり、どのようなものか疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、賃貸借契約時に支払う前家賃について解説します。 前家賃以外に必要な初期費用の相場も解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。

前家賃とは?

前家賃とは、賃貸借契約時に翌月分の家賃を前もって支払うことです。 そもそも民間の賃貸物件において家賃は前払いがほとんどで、4月分の家賃を3月に、5月分を4月に支払います。

前家賃は、支払うべき家賃を前払いしているだけで相場はなく、決して損をするわけではありません。

翌月分の家賃の授受を前もって済ませておくことで、オーナーは入居者の家賃滞納リスクを軽減でき、入居者は安心して生活できるのです。

前家賃は、敷金・礼金などの初期費用を支払うタイミングでまとめて支払います。

もし、入居日が月の途中である場合は、前家賃とあわせて日割り家賃も支払うことになります。

日割り家賃とは?

前家賃と性質が似た初期費用として、日割り家賃があります。

日割り家賃とは入居日が月の途中である場合、入居日から月末までの日数分に発生する家賃のことです。

たとえば、3月21日から家賃10万円の賃貸物件に入居する場合、3月21日〜31日の11日分を日割り家賃、4月分の家賃を前家賃として賃貸借契約時に支払うのが一般的です。

日割り家賃の計算方法は以下の3種類があります。

  • 実日数割り:入居月ごとの日数で計算する
  • 30日割り:入居月によらず1か月30日換算で計算する
  • 31日割り:入居月によらず1か月31日換算で計算する

実日数割りで計算すると、以下のように求められます。

項目

内容

金額

日割り家賃

3月21日〜31日の計11日分の家賃

100,000円÷31日×11日=35,483円

前家賃

4月分の家賃

100,000円

合計

135,483円

前家賃は翌月1か月分であるケースが大半ですが、物件によっては翌々月分もあわせて2か月分支払うケースもあります。 賃貸借契約時に、前家賃をいくら支払う必要があるのか確認しておきましょう。

賃貸借契約時に支払う初期費用

賃貸借契約時に支払う初期費用は、以下のようなものがあります。

項目

相場

敷金

家賃1〜2か月分

礼金

家賃1〜2か月分

仲介手数料

家賃0.5〜1か月分

前家賃

家賃1か月分

火災保険の保険料

1〜2万円

その他の費用

鍵交換代・ハウスクリーニング代など

合計

家賃4〜6か月分

たとえば、家賃10万円の賃貸物件を契約する場合、初期費用は40〜60万円前後準備する必要があります。

ここでは、前家賃以外の各費用について解説します。

敷金

敷金とは、賃貸物件を借りる際に担保として預ける費用です。 退去時に家賃の滞納分や、入居者に責任のある修繕にかかる費用を差し引いた残りの金額が返還されます。

敷金は家賃1〜2か月分が相場です。

礼金

礼金とは、賃貸物件を借りる際にオーナーにお礼の意味合いで支払う費用です。 礼金は退去時に返還されないため覚えておきましょう。

礼金は家賃1〜2か月分が相場です。

仲介手数料

仲介手数料とは、賃貸物件を紹介した不動産会社に対して、賃貸借契約締結時に支払う報酬のことです。

不動産会社は、仲介手数料をもらうために以下のような業務を行います。

  • 賃貸物件の紹介・内覧対応
  • 賃貸借契約の手続き・書類作成
  • 入居までのサポート

不動産会社がオーナーと入居者の間に入り業務を行うことで、スムーズに賃貸物件を借りられるのです。

仲介手数料は、法律(※)によって上限が以下のように定められています。

仲介手数料の上限=賃貸物件の家賃1か月分+消費税

仲介手数料の上限のみ法律で定められているため、下限の決まりはありません。

一般的には、家賃の0.5〜1か月分が仲介手数料の相場です。

(※)宅地建物取引業法|第四六条

火災保険の保険料

賃貸物件を借りる際は、多くの場合火災保険の加入が必要になります。

火災保険の契約期間は2年が一般的で、初回に一括で保険金を支払うことが多いです。

火災保険の相場は補償内容や家族構成、間取りなどで異なりますが、1〜2万円程度になるでしょう。

その他の費用

賃貸物件によっては、その他にも以下のような費用がかかるケースがあります。

  • 鍵交換代
  • ハウスクリーニング代
  • 保証会社の保証料

物件が決まれば、初期費用がいくらかかるのかを不動産会社に確認し、早めに準備しておきましょう。

前家賃・日割り家賃を安く抑える方法

前家賃や日割り家賃を安く抑えるには、以下の方法があります。

  • 入居日を月初に調整する
  • オーナーに交渉する
  • 家賃が安い物件を選ぶ
  • フリーレント物件を選ぶ

それぞれ詳しく解説します。

入居日を月初に調整する

賃貸物件の入居日を月初(1日)にすることで日割り家賃が発生せず、前家賃1か月分のみを支払うことで入居できます。

月初の調整が難しい場合は、月末に入居しても日割り家賃が少なく済みます。

入居日を調整できる場合は、日割り家賃がいくらかかるのかを意識して決めましょう。

オーナーに交渉する

日割り家賃や前家賃を安くできないか、オーナーに交渉するのもひとつの方法です。

オーナーにとっても空室が埋まることはメリットになるため、考慮してもらえるかもしれません。

日割り日数が少なかったり、空室が長く続いていたりすると、日割り家賃などの免除や値下げをしてもらえる可能性がありますが、最終的にはオーナーの判断になります。

ただし、入居者がすぐに決まる人気の物件や、引っ越しのシーズンである繁忙期の3月は、断られる可能性が高くなるでしょう。

家賃が安い物件を選ぶ

前家賃を負担に感じるのであれば、そもそも家賃が自分にとって高すぎる可能性があります。

前家賃は手数料とは異なり、毎月の家賃を前もって支払っているだけです。

家賃が安いと前家賃も安くなるため、毎月支払う家賃や共益費が家計を圧迫しすぎていないか見直し、安く済ませたい場合は物件の見直しも検討しましょう。

フリーレント物件を選ぶ

フリーレント物件を選べば、前家賃を安くもしくはゼロにできるでしょう。

フリーレント物件とは、入居後一定期間の家賃を無料サービスしてくれる物件のことです。フリーレント物件は、入居者の初期費用を軽減できるため、オーナーが空室対策として実施していることがあるのです。

フリーレントの期間はオーナーが設定し、数日〜2か月など物件によって異なります。

ただし、フリーレント物件には短期解約時の違約金が設定されていたり、家賃が相場よりも高かったりする場合があります。

フリーレント物件は入居者にとってメリットがありますが、その他の条件に問題はないかも契約前に確認しておきましょう。

まとめ

賃貸借契約時に支払う前家賃やその他にかかる初期費用、前家賃・日割り家賃を安く抑える方法について解説しました。

前家賃とは、賃貸借契約時に翌月分の家賃を前もって支払うことです。

物件によっては翌々月分の家賃も前家賃として支払うケースがあります。

入居日が月の途中であれば、日割り家賃も支払う必要があります。

前家賃は、家賃を前もって支払っているだけで損をするわけではありません。 前家賃を安く抑えたい場合は、家賃が安い物件もしくはフリーレント物件を選ぶ、オーナーに交渉するなどの方法があります。

前家賃を含め、賃貸物件の初期費用は物件によって異なるため、必ず詳細を確認したうえで契約するようにしましょう。

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iimon 編集部

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