専有面積にバルコニーは含まれる?専有部分と共用部分について詳しく解説

更新日:2024.06.21

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アパートやマンションなどの賃貸物件の物件資料には、部屋の広さを表す「専有面積」が記載されています。

しかし、専有面積とは別に、バルコニーやベランダの面積が記載されていることに疑問を感じる人も多いのではないでしょうか。

結論から言うと、バルコニーは専有面積に含まれず、共用部分の扱いになるためです

そこでこの記事では、専有面積にバルコニーが含まれない理由や、専有部分と共用部分について詳しく解説します。

専有面積を比較する際のポイントも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

専有面積に含まれる範囲とは?

専有面積とは、アパートやマンションなどの賃貸物件において、入居者が独占的に使用できる部分の面積を指します。

具体的には、リビングや寝室などの居住スペースや水回り、収納スペースなどが含まれます。

一方、バルコニーやベランダ、ロフトなどは入居者が独占的に使用できるにもかかわらず、基本的に専有面積には含まれません。

専有面積にバルコニーが含まれない理由

専有面積にバルコニーやベランダが含まれないのは、災害時に避難経路として使われるためです。

災害時の脱出に備えて、隣のバルコニーとの仕切りを強く蹴ると、破れる仕組みになっていたり、避難用はしごが設置されていたりします。

そのため、避難時の妨害になるようなものをバルコニーに置いてはいけません。

バルコニーやベランダは、共用廊下などと同じで、法律上「共用部分」として扱われます。

物件資料には、ベランダやバルコニーの面積を、専有面積と分けて記載されるケースが多いです。

マンションで専有面積に含まれない部分とは?

マンションは、主に入居者が独占的に使用できる「専有部分」と、ほかの入居者と共同で使用する「共用部分」で構成されています。

しかし、バルコニーやベランダ以外にも、以下の場所は専有部分には含まれません。

  • ロフト
  • 床下収納
  • 共用部分に含まれるもの

いずれの場所も、基本的に入居者が独占的に使用できますが、専有部分とは区別され、専有面積外の有効スペースと捉えられます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

ロフト

ロフトは、天井を高くして部屋の一部を二層式にした空間のことで、主に収納などに利用されます。

建築基準法に基づき、採光などの条件を満たすと専有面積に含まれますが、以下の条件を満たすと専有面積に含まれず、屋根裏収納の扱いになります。

・ロフトの面積が設置した部屋の2分の1未満であること

・ロフトの高さが1.4m以下であること

・人が常に利用する用途になっていないこと

・はしごが固定されていないこと(自治体による)

ロフトもバルコニーなどと同様に、専有面積と分けて物件資料に記載されるのが一般的です。

しかし、賃貸物件によっては省略されているケースもあるため、ロフト付きの物件を検討する際は、ロフトの広さや使い勝手を確認しておきましょう。

床下収納

床下収納も、部屋面積の2分の1未満であれば専有面積に含まれません。

ただし、床下収納とロフトどちらもある場合、合算した面積が部屋面積の2分の1を超えると専有面積の扱いになります。

共用部分に含まれるもの

バルコニーや玄関ポーチ以外に、共用部分に含まれる代表的なものは以下のとおりです。

  • エントランス
  • 共用廊下
  • エレベーター
  • 階段
  • 駐車場・駐輪場

玄関ポーチとは、マンションなどの玄関前に門扉が設置されており、共用廊下から独立したスペースのことです。

玄関ポーチも共用部分の扱いですが、誰でも入れると防犯面やプライバシーの問題もあるため、入居者だけが使える「専用使用部分」として扱われます。

専用使用部分の扱いや使用条件は、マンションの管理規約に記載されているため、玄関ポーチがある場合は確認しておきましょう。

共用部分は、入居者が快適に暮らすために必要な場所です。

ほかの入居者の迷惑にならないように、私物を許可なく置いたりゴミを捨てたりしないようにしましょう。

専有面積の計算方法

専有面積の計算方法には、主に壁芯面積と内法面積の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。

壁芯面積

壁芯(かべしん/へきしん)面積は、柱や壁の厚みの中心を基準にして計測した面積です。

壁芯面積は建築基準法に基づいて算出され、物件資料も壁芯面積で記載されるのが一般的です。

内法面積

内法(うちのり)面積は、部屋の内側の寸法を計測した面積です。

壁の厚みを含めず、実際の部屋の広さを表す面積であるため、壁芯面積よりも少し狭くなります。

賃貸借契約時にもらう賃貸物件の登記事項証明書(登記簿謄本)に記載されている面積は、内法面積です。

物件資料には一般的に壁芯面積が記載されますが、内法面積が記載されるケースもあります。

そのため、賃貸物件の面積を比較する際は、面積の計算方法も確認しておきましょう。

専有面積を比較する際のポイント

専有面積を比較する際は、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 畳数に変換してイメージする
  • 居住スペースの広さを確認する
  • 共用部分の使い勝手や状況をチェックする

それぞれ詳しく解説します。

畳数に変換してイメージする

専有面積を畳数に変換することで、部屋の広さをイメージしやすくなります。

専有面積を畳数に変換するには、以下の式で算出できます。

畳数=専有面積÷1.62㎡

たとえば、専有面積が25㎡の場合は、約15.4畳になります。

ただし、畳には京間・中京間・江戸間などの種類があり、大きさも異なるため、おおよその目安として考えておきましょう。

居住スペースの広さを確認する

専有面積には、居住スペース以外にも水回りや玄関、収納スペースなどが含まれます。

そのため、実際に生活する居住スペースの広さを確認しなければ、入居後に「思ったよりも狭かった」と感じる恐れがあります

また、家具の配置やレイアウトを考えるうえでも、居住スペースの広さは重要なポイントです。

入居後に後悔しないためには、居住スペースの広さを確認し、実際に内見でチェックしましょう。

共用部分の使い勝手や状況をチェックする

専有面積だけでなく、共用部分の使い勝手も賃貸物件を選ぶうえでの重要なポイントです。

バルコニーの広さや、玄関ポーチ・エレベーターの有無などは、毎日の暮らしに大きく影響します。

また、内見の際にエントランスの清掃具合やゴミ捨て場の状況も確認しましょう。

共用部分が散らかっていると、管理会社の管理が行き届いていなかったり、マナーの悪い入居者が住んでいたりする可能性が考えられます。

入居後に後悔しないためには、内見時に専有部分だけでなく共用部分も確認しましょう。

まとめ

専有面積とは、アパートやマンションなどの賃貸物件で、入居者が独占的に使用できる部分の面積を指します。

リビング・寝室などの居住スペースや水回り、収納スペースなどが専有面積に含まれますが、バルコニーやベランダは、災害時の避難経路になるため共用部分の扱いになります。

ロフトや床下収納は、賃貸物件によって扱いが異なる場合があるため、実際の広さや使い勝手を確認しましょう。

専有面積の計算方法には、壁芯面積と内法面積の2種類あり、物件資料に記載されているのは、壁の中心を基準に計測した壁芯面積であることが一般的です。

物件選びの際は、専有面積を畳数に変換してイメージしたり、居住スペースの広さを確認したりするのがポイントです。

共用部分の広さや使い勝手もチェックして、総合的に賃貸物件を判断しましょう。

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iimon 編集部

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