【賃貸】定期借家契約のメリット・デメリット!プロが詳しく解説します

更新日:2024.06.21

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定期借家契約は、賃貸物件を借りる際に締結する賃貸借契約の一種です。

定期借家契約の賃貸物件は、家賃や初期費用が安い傾向がある一方、契約を更新できなかったり、原則として途中で解約できなかったりなどのデメリットがあります。

定期借家契約の賃貸物件を借りる際は、メリット・デメリットを理解したうえで契約するようにしましょう。

この記事では、定期借家契約のメリット・デメリットをわかりやすく解説します。

定期借家契約が使われる主なケースや、向いている人も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

定期借家契約とは?

定期借家契約とは、契約期間が満了しても更新できない契約のことです。

契約時に定めた期間を満了すると、原則として入居者は退去する必要があります。

ただし、オーナーが承諾し、再契約を結ぶことで入居者は住み続けられます。

普通借家契約との違い

普通借家契約は、定期借家契約とは異なり、契約期間が満了しても更新できる契約のことです。

普通借家契約の契約期間は2年が一般的です。

入居者もしくはオーナーのいずれかが解約手続きを行うまでは、同じ条件で契約が更新される点で定期借家契約とは異なります。

定期借家契約のメリット

定期借家契約のメリットは以下のとおりです。

  • 家賃や初期費用が安い傾向がある
  • 短い期間でも契約できる
  • 分譲住宅に住める可能性がある

それぞれ詳しく解説します。

家賃や初期費用が安い傾向がある

定期借家契約の賃貸物件では、契約を更新できないデメリットを補うために、家賃や初期費用が相場よりも安い傾向があります

借りる期間が明確に決まっている場合は、相場よりも安い定期借家契約の賃貸物件を選ぶことで、費用負担の軽減が見込めます。

ただし、家賃や初期費用だけで判断せずに、引っ越し費用や退去費用も含めて判断するようにしましょう。

短い期間でも契約できる

定期借家契約は、オーナーが契約期間を自由に設定できます

1年未満などの短い契約期間でも、入居者の希望とオーナーの条件がマッチすれば契約が可能です。

分譲住宅に住める可能性がある

オーナーが自宅を不在にしている間のみ定期借家契約で賃貸運用する場合、入居者は分譲住宅などグレードの高い物件に住める可能性があります

充実した設備や築浅の物件を借りられれば、快適に暮らせるでしょう。

定期借家契約のデメリット

定期借家契約のデメリットは以下のとおりです。

  • 契約を更新できない
  • 原則として途中で解約できない
  • 物件の数が少ない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

契約を更新できない

定期借家契約の最大のデメリットは、契約期間が満了しても更新できないことです。

定期借家契約は基本的に短期の契約となり、契約期間が満了すると入居者は原則として退去しなければなりません

オーナーが承諾すれば再契約は可能ですが、応じてもらえるとは限らないため注意しましょう。

原則として途中で解約できない

定期借家契約は、特約などの取り決めがなければ、原則として途中で解約できません

中途解約すると、オーナーから残りの契約期間の家賃を請求される可能性があります。

ただし、特約がなくても入居者が以下の要件を満たしていると、例外的に途中解約できるケースもあります

  • 居住用の賃貸物件で床面積が200㎡未満である
  • やむを得ない事情で入居者が継続して住むのが困難である

やむを得ない事情の例としては、入居者の転勤や入院、親族の介護などがありますが、最終的にはオーナーとの話し合いや裁判所の判断に委ねられます。

物件の数が少ない

定期借家契約の物件の数は少なく、希望のエリアで見つからない可能性があります。

国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、三大都市圏で結ばれた賃貸借契約のうち、普通借家契約は94.8%であるのに対し、定期借家契約は2.1%という結果でした。

定期借家契約のメリットに魅力を感じても、物件数が少なければ、希望のエリアで条件に合う物件を見つけるのは難しくなるでしょう。

オーナーが定期借家契約を使う主なケース

オーナーが定期借家契約を使うのは、主に以下のようなケースが考えられます。

  • 建物の解体時期が決まっているケース
  • 将来住むことを想定しているケース
  • 入居者のトラブルを避けたいと考えているケース

それぞれ詳しく解説します。

建物の解体時期が決まっているケース

建物の老朽化や、再開発などで建物の解体時期が決まっているケースでは、定期借家契約が使われる場合があります。

普通借家契約で契約してしまうと、立ち退きを要求した際に立ち退き料などを入居者から求められる可能性があるためです。

建物を解体するまでの期間限定で賃貸運用する場合は、定期借家契約を選ぶことで入居者にスムーズに退去してもらえます。

将来住むことを想定しているケース

オーナーが長期出張などで自宅が空き家となる一定期間のみ、賃貸物件として運用するケースがあります。

定期借家契約を選ぶことで、将来オーナー自身が再び住むことを想定して運用できます。

入居者のトラブルを避けたいと考えているケース

普通借家契約の場合、入居者の家賃滞納や近隣トラブルがあっても、オーナーがすぐに退去を命じるのは困難です。

頭を悩ますような入居者に住み続けてほしくない場合は、定期借家契約にすることで、契約期間の満了によって必ず退去させられます。

特に、リビングや水回り設備などを共有して生活するシェアハウスの物件では、入居者のマナーやルールに従うことが強く求められます。

定期借家契約を選択し、きちんとルールに従う入居者のみ再契約すれば、トラブルのリスクを軽減できるでしょう。

定期借家契約の賃貸物件が募集されていれば、なぜ定期借家にしているのか、理由を確認しておくのがおすすめです。

定期借家契約が向いている人

定期借家契約の賃貸物件を借りるのに向いているのは、以下のような人です。

  • 短期の住まいを探している人
  • 家賃や初期費用を抑えたい人
  • 出張や単身赴任などで退去日が事前に決まっている人
  • グレードの高い物件に住みたい人
  • 荷物が少ないなど引っ越しの負担が少ない人

定期借家契約は、契約を更新できないため、短期の住まいを探している人や退去日が事前に決まっている人にはおすすめです。

タイミングが良ければ、家賃や初期費用が安かったり、グレードの高い物件に住めたりする可能性もあるでしょう。

一方、可能な限り長く住み続けたい人や、引っ越しの負担が大きい人は、普通借家契約がおすすめです。

まとめ

定期借家契約は、契約期間が満了しても更新できない契約のことです。

定期借家契約の賃貸物件を借りるメリット・デメリットは以下のとおりです。

定期借家契約のメリット

定期借家契約のデメリット

・家賃や初期費用が安い傾向がある

・短い期間でも契約できる

・分譲住宅に住める可能性がある

・契約を更新できない

・原則として途中で解約できない

・物件の数が少ない

定期借家契約は、家賃や初期費用が安い傾向がある一方、契約期間が満了しても契約を更新できず、入居者は退去しなければなりません。

他にも、途中解約できなかったり、物件数が少なかったりなどのデメリットがあるため、理解したうえで契約しましょう。

定期借家契約は、建物の解体時期が決まっていたり、オーナーが将来住むことを想定していたりする際によく使われます。

短期で住まいを探している人や、退去日が事前に決まっている人は、定期借家契約の賃貸物件も見てみると良いでしょう。

定期借家契約のメリット・デメリットを押さえておき、契約後に後悔しないようにしましょう。

authorこの記事を書いた人
iimon 編集部

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