賃貸物件を探しているときに「フリーレント物件」という記載を見たことがありませんか?
フリーレントは「家賃無料」を意味しますが、そのような物件が存在している理由が気になる人もいるでしょう。
そこでこの記事では、賃貸の「フリーレント物件」が存在する理由を解説します。 フリーレント物件を借りる際の注意点や、交渉の成功率を高めるポイント4選を解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
フリーレント物件とは?
フリーレント物件とは、入居後の一定期間、家賃が発生しない物件のことです。フリーレントの期間は、数日〜2か月など物件によって異なります。
かつては事務所やテナントの賃貸でよく使われたフリーレントですが、近年では居住用の賃貸物件でも見られるようになりました。
一般的な居住用の賃貸物件を借りる際は、主に以下の初期費用がかかります。
初期費用の内訳 | 費用相場 |
敷金 | 家賃1〜2か月分 |
礼金 | 家賃1〜2か月分 |
仲介手数料 | 家賃1か月分 |
前払い家賃 | 家賃1か月分 |
火災保険料 | 数千円〜数万円 |
合計 | 家賃4〜6か月前後 |
家賃が10万円の賃貸物件にかかる初期費用は、40〜60万円が目安です。 フリーレント物件で1か月家賃が免除される場合、初期費用は30〜50万円に抑えられます。
物件によって必要な初期費用は異なるため、契約前に不動産会社から初期費用の見積もりをもらい、家賃以外に必要な費用を確認しておきましょう。
フリーレント物件のメリット
フリーレント物件のメリットは主に以下の2つです。
- 初期費用を抑えられる
- 二重家賃が発生しない
フリーレント物件は、家賃が一定期間免除されるため、入居者にとって初期費用を抑えられるのがメリットです。 また、旧居から新居に引っ越しする際に、旧居と新居の家賃が重複する、すなわち二重家賃が発生しないこともメリットとして挙げられます。
引っ越しの手続きや準備に焦る必要はなくなるため、金銭的にも精神的にも余裕を持てるのがフリーレント物件の特徴です。
フリーレント物件が存在する理由
フリーレント物件が存在する理由は主に以下の2つがあります。
- 早く入居してもらうため
- 家賃を下げずに集客するため
それぞれ詳しく解説します。
早く入居者を見つけるため
フリーレントは、オーナーが早く入居者を見つけるために行われます。
賃貸物件の需要は、多くの人が新生活を始める前(2〜4月)がピークであり、その期間が過ぎるとお客さんは少なくなります。
オーナーは、所有物件が空室であると家賃収入を得られません。 ピークを過ぎても入居者が決まっていない場合、空室期間が長期化するリスクが懸念されます。 そこで、オーナーが入居者を早く見つけるために、フリーレントを実施しているのです。
家賃を下げずに集客するため
早く入居者を見つけるには、フリーレント以外にも家賃を下げる方法があります。 しかし、一度家賃を下げてしまうと、オーナーの家賃収入が減るだけでなく、既存の入居者から家賃の値下げ交渉をされるリスクも懸念されます。
フリーレントは期間限定であるため、家賃を下げずに集客できるのがメリットです。
フリーレント物件を借りる際の注意点
家賃が一定期間免除されるフリーレント物件ですが、借りる際は以下の注意点を押さえておきましょう。
- 物件数が少ない
- 短期解約違約金の設定を確認する
- フリーレントの対象を確認する
- 家賃が周辺相場よりも高い可能性がある
それぞれ詳しく解説します。
物件数が少ない
フリーレント物件の数は少ないため、希望のエリアや家賃でフリーレント物件を見つけるのが困難な場合があります。 希望条件に合う物件が見つからない場合は、「敷金なし・礼金なし」の物件を探すなど他の選択肢も検討しましょう。
短期解約違約金の設定を確認する
フリーレント物件には、家賃を一定期間免除する代わりに短期で解約した場合の違約金が設定されているケースが多いです。そのため、短期で引っ越す可能性があればフリーレントは避けたほうが無難です。
フリーレントの対象を確認する
物件によっては、フリーレントの対象が家賃のみで、管理費や駐車場代は対象外のケースがあります。 その場合、フリーレント期間でも家賃以外の費用を支払わなければなりません。
物件を契約する前に、フリーレントの対象を確認しておきましょう。
家賃が周辺相場よりも高い可能性がある
フリーレントの物件は、周辺相場よりも家賃が高い可能性があります。 相場よりも家賃が高い物件に長期間住むと、フリーレントでも総支払額が高くなることも考えられます。 フリーレント物件だからと安易に契約せず、周辺の家賃相場やその他の費用が高くないかを確認しておきましょう。
フリーレントの交渉は可能!成功率を高めるポイント4選
フリーレント物件でなくても、賃貸の初期費用を抑えるためにフリーレントを交渉することは可能です。ただし、交渉に応じるかはオーナー次第です。
交渉の成功率を高めるには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 閑散期に交渉する
- 契約の意思を伝える
- 良い印象を与える
- 人気の物件は避ける
それぞれ詳しく解説します。
1. 閑散期に交渉する
フリーレントの交渉は、5〜8月の閑散期を狙うのがおすすめです。
閑散期はお客さんが減ることで、空室が埋まりにくい傾向があります。 オーナーとしても空室を早く埋めたいため、フリーレントの交渉も応じてもらえる可能性が高くなります。
一方、2〜4月の繁忙期はお客さんが多くなるため、フリーレントなどの値下げ交渉は難しいでしょう。 交渉などで時間をかけ過ぎてしまうと、他の人に契約されるリスクもあるため、入居時期を調整できる場合は閑散期を狙いましょう。
2. 契約の意思を伝える
フリーレントの交渉をする際は、契約の意思を伝えることが重要です。 契約の意思が定まっていない状態で交渉しても、成功率は低いでしょう。
「フリーレントしてもらえれば契約します」など契約の意思を明確に伝えることで、前向きに検討してもらえるでしょう。 フリーレントの交渉が成立すれば、必ず契約するようにしましょう。
3. 良い印象を与える
フリーレントなどの値下げ交渉は、入居者に代わって不動産会社の担当者がオーナーに伝えるのが一般的です。 不動産会社の担当者に良い印象を抱いてもらえれば、交渉にも注力してもらえる可能性が高くなります。
不動産会社を訪問する際は身なりを整え、言葉遣いや態度には気をつけるようにしましょう。
4. 人気の物件は避ける
立地が良い、築年数が浅いなどの人気の物件は、フリーレントなどの要望に応じなくても入居者を見つけやすいため、交渉の成功率は低くなります。
一方で、空室期間が長かったり、条件が悪かったりする物件は交渉しやすくなります。
内見の際に物件の詳細を確認し、不動産会社の担当者にフリーレントの交渉ができるか相談しましょう。
まとめ
フリーレント物件が存在する理由や借りる際の注意点、交渉のポイント4選を解説しました。
フリーレント物件は、オーナーが空室を埋めるために行っており、入居者にとっても初期費用を抑えられるメリットがあります。 しかし、フリーレント物件は短期解約違約金の設定や、家賃が周辺相場よりも高いケースがあるため、契約前に確認しておきましょう。
フリーレントの交渉は、5〜8月の閑散期に契約の意思をしっかり伝えることで成功率を高められます。
フリーレント物件をひとつの選択肢として考えて情報収集を行い、自分に合う物件を見つけましょう。
iimon 編集部