賃貸物件を探していると、物件資料に「保証料」や「保証会社への加入が必要」などの記載を見たことがある方も多いのではないでしょうか。
保証料は保証会社によって異なりますが、相場や支払うタイミングなどを事前に理解しておくことが重要です。
そこでこの記事では、賃貸物件で保証会社に支払う保証料について解説します。 保証料を安く抑えるコツ5選も解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
賃貸物件の保証料とは?
賃貸物件の保証料とは、保証会社を利用するのに支払う費用です。 保証会社とは、入居者が家賃を滞納した際に、一時的に立て替えてオーナーに家賃を支払う会社のことです。
入居者が家賃を滞納すると、保証会社が滞納家賃を立て替えてオーナーに支払い、後日入居者に請求を行います。
かつて賃貸物件を契約する際は、連帯保証人を立てるのが一般的でした。 しかし、連帯保証人を立てるのが難しい方もいるため、連帯保証人ではなく保証会社の利用を入居条件にするオーナーが増えています。
保証会社を利用するかはオーナー次第となり、物件資料の備考欄などに「保証料」や「保証会社への加入が必要」などの記載があるかどうかで判断できます。
保証会社の主な保証内容
保証会社が保証する主な内容は以下のとおりです。
- 入居者が滞納した月額費用(家賃・管理費・共益費・駐車場代など)
- 入居者が支払わなかった一時金(更新料・退去時の原状回復費用など)
- 入居者が賃貸借契約に違反し支払わなかった費用(違約金・損害金など)
- 家賃の未払いなどでトラブルになり、裁判に発展した際の法的手続きの費用
保証会社のプランによって異なりますが、基本的には入居者が支払わなかった「お金」に関する部分のみが保証対象です。 そのため、近隣トラブルや設備の故障などの対応については、保証会社ではなく管理会社の担当となります。
保証料の相場
保証料を支払うタイミングは保証会社によって異なりますが、賃貸借契約の締結時に家賃の0.5〜1か月分を支払うのが一般的です。 さらに、1〜2年ごとに更新料がかかる保証会社が多く、1〜2万円前後必要になるケースが多いでしょう。
たとえば、家賃10万円の賃貸物件で保証会社を利用する場合、賃貸借契約の締結時に5〜10万円の保証料を支払います。
更新料を設定せず、月額保証料として家賃の1〜2%程度を毎月請求する保証会社もあります。
このように、保証料の支払いは保証会社によって異なりますが、原則返金されません。
また、保証会社の利用中に家賃を滞納すると、更新料が高くなる場合があります。保証料や更新料は保証会社によって異なるため、利用前に詳細を確認しておきましょう。
保証会社を利用するには?
保証会社を利用するには、保証会社の審査に通る必要があります。
- 保証会社に審査される主な内容
- 保証会社の審査に必要な書類
それぞれ詳しく解説します。
保証会社に審査される主な内容
保証会社に審査される主な内容は以下のとおりです。
- 収入
- 職業
- 雇用形態
- 勤続年数
- 年齢
- 個人の信用情報
- 収入に対する家賃の比率
- 物件の所在地
保証会社は主に入居者の支払い能力を重視しており、入居後の家賃の滞納やトラブルなどのリスクが高いかどうかを審査します。審査に通過しないと入居できません。
保証会社の審査には、3〜7日程度かかります。 審査次第では、保証会社を利用しても連帯保証人を立ててほしいとお願いされるケースもあります。
保証会社の審査内容は、賃貸物件の入居時の審査と共通部分が多く、保証会社の審査を通過していると、入居審査もスムーズに通過しやすいでしょう。
保証会社の審査に必要な書類
保証会社の審査に必要な書類は主に以下のとおりです。
- 保証会社への申込書
- 身分証明書のコピー(運転免許証・保険証など)
- 収入を証明する書類(源泉徴収票・給与明細書・納税証明書など)
保証会社によっては、追加で書類の提出が必要になる場合があるため、詳しくは不動産会社に確認しましょう。
賃貸物件の保証料を安く抑えるコツ5選
賃貸物件の保証料を安く抑えるには、以下の5つのコツを押さえておきましょう。
- 連帯保証人を立てる
- 保証範囲を限定する
- 保証会社を変更する
- オーナーに交渉する
- 助成金を活用する
それぞれ詳しく解説します。
1. 連帯保証人を立てる
本来、保証会社を利用すれば連帯保証人を立てる必要はありませんが、保証会社の利用に加えて連帯保証人を立てると、保証料が安くなる場合があります。 連帯保証人を立てることで、オーナーや保証会社にとって家賃滞納のリスクが下がるためです。
連帯保証人を立てられる場合は、保証会社に交渉してみるのもひとつの方法です。
2. 保証範囲を限定する
保証会社の保証内容を限定することで、余計な費用を抑えることが可能です。
たとえば、退去後に必要となる原状回復費用を保証の対象から外せば、保証料が安くなる場合があります。 しかし、保証範囲はオーナーや管理会社が指定しているケースが大半であるため、保証範囲を限定できるかどうかは事前に確認しておきましょう。
3. 保証会社を変更する
保証会社はオーナーや管理会社が指定するのが一般的ですが、入居者が選んだ保証会社でも許可してもらえる場合があります。
保証料は保証会社によって異なるため、保証料が安い保証会社を選べば、支出を抑えられるでしょう。
保証料が安い保証会社があれば、変更できないかオーナーや管理会社に相談してみましょう。
4. オーナーに交渉する
保証会社を利用する代わりに、礼金や家賃などを値下げできないかオーナーに交渉してみるのもひとつです。オーナーにとっても空室が埋まるほうがメリットになるため、考慮してもらえる可能性があります。
ただし、人気の物件や3月前後の引っ越しシーズンでは断られる可能性が高くなるでしょう。
5. 助成金を活用する
賃貸物件を借りる地域によっては、自治体が助成金を支給しているケースがあります。
東京都台東区では以下のすべての要件に該当すると、初回保証料の2分の1(上限2万円)の助成金が支給されます。
1. 次のいずれかに該当すること
- 65歳以上の高齢者世帯
- 障害者世帯
- ひとり親世帯
2. 台東区に住民登録があり3年以上居住していること
3. 台東区内の民間賃貸物件に転居し、継続して居住すること
4. 緊急連絡先があること
5. 生活保護を受給していないこと
6. 前年の世帯の総所得額が以下に当てはまること
- 単身世帯:256万8,000円以下
- 単身以外の世帯:256万8,000円に世帯員が1人増えるごとに38万円を加算した金額以下
7. 世帯全員が住民税を滞納していないこと
紹介した要件は2023年11月時点の情報で、年度によっては内容が変わっている可能性があります。
賃貸物件の検討しているエリアの自治体で、助成金が支給されていないか確認してみましょう。
出典:台東区|家賃債務保証会社利用に伴う保証料を助成します(高齢者等家賃等債務保証制度)
まとめ
賃貸物件で保証会社に支払う保証料の相場や、安く抑えるコツ5選を解説しました。
保証料は家賃の0.5〜1か月分を賃貸借契約時に支払い、1〜2年ごとの更新で1〜2万円前後支払うケースが一般的です。
保証料を安く抑えるには、連帯保証人を立てたり、保証範囲を限定したりする方法があります。 しかし、管理会社やオーナー次第では断られることもあるため、事前に可能かどうかを確認しておく必要があります。
保証料の相場や支払うタイミングを理解しておき、不明点があれば賃貸借契約前に不動産会社に確認しておきましょう。
iimon 編集部