賃貸物件の初期費用を抑えるには?交渉テクニック5選をプロが解説

更新日:2024.06.20

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賃貸物件を借りるには初期費用が必要です。 初期費用は家賃の4〜6か月分かかるケースが多く「できる限り安く抑えたい」と考えますよね。

初期費用を安く抑えるには、もともと費用が安く設定されている物件や不動産会社を選ぶか、値下げ交渉をする方法があります。 ただし、やみくもに値下げ交渉しても、失敗する可能性が高いでしょう。

そこでこの記事では、賃貸物件の初期費用を抑える方法や、値下げ交渉で使えるテクニック5選をプロの目線から解説します。

交渉のタイミングや、伝えると効果的な内容をまとめているので、ぜひ最後までご覧ください。

賃貸物件の初期費用

賃貸物件にかかる初期費用は、主に以下のとおりです。

初期費用の内訳

費用相場

敷金

家賃1〜2か月分

礼金

家賃1〜2か月分

仲介手数料

家賃0.5〜1か月分

前払い家賃

家賃1か月分

火災保険料

1〜2万円

合計

家賃4〜6か月分

たとえば、家賃が8万円の賃貸物件の場合、初期費用は30〜50万円が目安です。 物件によっては、その他にも鍵交換代や保証会社への保証料などが必要になる場合もあります。

初期費用は、賃貸借契約を締結する際に支払う必要があります。 まとまったお金が必要になるため、住みたい物件が見つかったら不動産会社に初期費用の見積もりをもらい、早めに準備しておきましょう。

初期費用を抑える方法

賃貸物件の初期費用を抑えるには、以下のような方法があります。

  • 礼金なしの物件を選ぶ
  • 仲介手数料が安い不動産会社を選ぶ
  • フリーレント物件を選ぶ
  • 初期費用の値下げ交渉をする

それぞれ詳しく見ていきましょう。

礼金なしの物件を選ぶ

礼金を抑えたい場合は、そもそも礼金なしの物件を選ぶことで実現できます。 礼金とは、賃貸物件を借りる際にオーナーに謝礼金として支払う費用です。

礼金の設定は、物件やエリアによって異なります。

国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、三大首都圏における礼金の有無は以下のとおりです。

エリア

礼金ありの割合

礼金なしの割合

首都圏

49.8%

42.2%

中京圏

21.1%

60.0%

近畿圏

48.7%

47.4%

平均

44.8%

46.5%

礼金なしの割合は、首都圏や近畿圏で約40〜50%、中京圏では約60%であることがわかります。

ただし、礼金なしの物件でも、家賃が相場よりも高ければ結果的に支払いが増えてしまうため、他の費用が高くないかを確認しておきましょう。

仲介手数料が安い不動産会社を選ぶ

不動産会社によっては、集客目的で仲介手数料を最初から半額や無料にしている場合があります。

仲介手数料を安くできる理由は、オーナーが入居者に代わって不動産会社に報酬を支払っていることが考えられます。 ただし、仲介手数料を安くできる物件は限られており、選べる物件数が少なくなるのがデメリットです。

フリーレント物件を選ぶ

フリーレント物件とは、入居後の一定期間は家賃が無料で住める物件のことです。

入居者にとっては初期費用を抑えられ、オーナーにとっては集客効果を高められるメリットがあります。 フリーレントの期間は、数日〜2か月など物件によってさまざまです。

ただし、フリーレント物件には短期解約時に違約金を支払う必要があったり、家賃が相場よりも高かったりする場合があります。

周辺の家賃相場や契約条件を確認し、納得したうえで選びましょう。

初期費用の値下げ交渉する

初期費用の値下げ交渉をして応じてもらえれば、安く抑えられます。 礼金はオーナーに対して、仲介手数料は不動産会社に対して行います。

なお、礼金の値下げ交渉は、オーナーに直接交渉するのではなく、不動産会社を通じて行うケースが多いです。

初期費用の値下げ交渉は、入居を申し込む直前で行うのが最適です。 入居審査後に値下げ交渉しても、申し込んだ時点で条件に合意したとみなされてしまい、断られる可能性が高くなります。

値下げ交渉に応じてもらえるかは相手次第です。そこで、値下げ交渉で使えるテクニックを次章で解説していきます。

初期費用の値下げ交渉で使えるテクニック5選

値下げ交渉で使えるテクニック5選は以下のとおりです。

  1. 閑散期に交渉する
  2. メリットを提示する
  3. 予算の上限を伝える
  4. 契約の意思と具体的な希望金額を伝える
  5. 高圧的な態度をとらない

それぞれ詳しく解説します。

1. 閑散期に交渉する

初期費用を値下げ交渉する際は、5〜8月の閑散期を狙うのがおすすめです。

閑散期は物件を探す人が減るため、空室が埋まりにくい傾向があります。オーナーや不動産会社にとっても、入居者が決まらないと利益を得られないため、閑散期であれば値下げ交渉にも応じてもらえる可能性が高いです。

一方、物件を探す人が増える2〜4月の繁忙期は、値下げ交渉を断られやすくなります。引っ越し費用も高くなるため、入居の時期を調整できる場合は5〜8月の閑散期を狙いましょう。

2. メリットを提示する

初期費用の値下げ交渉を行う際に、オーナーに対して以下のようなメリットを提示することで応じてもらいやすくなります。

  • 長期間入居する予定であること
  • 安定した収入があり家賃滞納のリスクがないこと

転勤などがなく長期で入居するのが決まっている場合、初期費用を値下げしてもらう代わりに「短期で解約した際に違約金を支払う」などの特約を提案することで、オーナーも前向きに検討しやすくなります。

初期費用の値下げ交渉だけを行うのではなく、交換条件を提示することで交渉の成功率が高くなるでしょう。

3. 予算の上限を伝える

物件探しの際に予算の上限を不動産会社に伝えておけば、初期費用を調整してもらえる場合があります。

不動産会社にとっても、契約してもらえなければ仲介手数料を請求できません。初期費用の予算を伝えておくことで、物件探しの段階から予算内に納まるように配慮してもらえたり、最終金額を値下げで調整したりしてもらえる可能性があります。

4. 契約の意思と具体的な希望金額を伝える

値下げ交渉の際は、契約の意思と具体的な希望金額を伝えるようにしましょう。契約の意思が固まっていない段階で交渉されても、値下げに応じてもらいにくいためです。

「仲介手数料を〇〇円まで値下げしてもらえればすぐに契約します」と具体的な希望金額と契約の意思を伝えることで、不動産会社やオーナーも前向きに検討してもらえるでしょう。

5. 高圧的な態度をとらない

不動産会社にお客さんである立場を強調し、「値下げして当然」という高圧的な態度で交渉しても失敗しやすくなります。

また、高圧的な態度で悪い印象を与えてしまうと、トラブルのリスクがあると懸念され、入居審査に落ちる可能性も高くなります。

初期費用を値下げ交渉する際は、丁寧にお願いするのがポイントです。

まとめ

賃貸物件の初期費用を抑える方法と、交渉で使えるテクニック5選を解説しました。

多くのケースでは、賃貸物件の初期費用は家賃の4〜6か月分かかります。礼金なしの物件や、仲介手数料が安い不動産会社を選ぶことで初期費用を抑えられます。

初期費用を抑えられる物件が見つからなければ、値下げ交渉をしてみましょう。

値下げ交渉は、物件を探す人が減る閑散期(5〜8月)を狙うのがおすすめです。 オーナーへのメリットや予算の上限、契約の意思などを明確に伝えることで、値下げ交渉の成功率を上げられます。

初期費用を抑えるポイントを理解して、納得のいく条件で契約しましょう。

authorこの記事を書いた人
iimon 編集部

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