賃貸物件の礼金が高い6つの理由!安く済ませる方法も紹介

更新日:2024.06.20

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賃貸物件を借りる際に必要な初期費用のひとつが「礼金」です。 礼金の金額は物件によって異なりますが、高く設定されている物件にはいくつかの理由が考えられます。

礼金が高い理由を知ることで、正しく物件を判断できるようになるでしょう。

そこでこの記事では、賃貸物件の礼金が高い6つの理由を解説します。 礼金を安く済ませる方法も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

礼金とは

礼金とは、賃貸物件を借りる際にオーナーに支払う費用で「契約一時金」と呼ばれるケースもあります。 礼金には、入居者からオーナーに対して物件を貸してもらうお礼の意味合いがあります。

昔からの慣習で今も残っており、礼金は消費税がかからず、支払っても退去時に返還されません。

礼金の相場

国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、礼金を支払った世帯が家賃の何か月分を支払ったのかを調査したところ、以下のようになりました。

礼金として支払った家賃の月数

割合

1か月未満

1.6%

1か月分

69.4%

1か月超2か月未満

5.2%

2か月分

17.7%

2か月超3か月未満

0.8%

3か月分

4.4%

礼金で支払った金額は、家賃1か月分が69.4%と最多でした。 この調査結果からも、礼金の相場は家賃の1〜2か月分といえるでしょう。

出典元:国土交通省|令和4年度 住宅市場動向調査報告書

礼金と敷金の違い

賃貸物件の初期費用で、礼金と似た費用に「敷金」があります。 敷金は賃貸物件を借りる際に、担保として預ける費用です。

礼金は退去時に返還されませんが、敷金は家賃の滞納分や入居者負担による修繕費用などを差し引いた金額が退去時に戻ってきます。

敷金…担保として預けるお金 ・礼金…お礼として支払うお金

敷金は、礼金と同じく家賃の1〜2か月分が相場です。

礼金が高い6つの理由

礼金が相場よりも高い物件が存在するのは、主に以下のような理由が考えられます。

  • 好条件の物件であるため
  • ハイグレードの物件であるため
  • 短期で解約されないようにするため
  • 家賃が相場よりも安いため
  • オーナーが収入を確保するため
  • きちんと支払える入居者に住んでもらうため

それぞれ詳しく解説します。

好条件の物件であるため

礼金が高い理由として、条件が良い物件であることが考えられます。

新築やペット可、駅近など条件が良い物件は人気があるため、礼金が高くてもすぐに入居者が決まりやすいのが特徴です。

礼金が高くても住みたい人が多い物件は、オーナーとしてもわざわざ礼金を安くする必要がないといえます。

ハイグレードの物件であるため

積水ハウスの賃貸住宅「シャーメゾン」など、ハイグレードの物件は礼金が高いケースがよくあります。 外観がおしゃれで、設備が充実している大手の物件は、特に若い世代に人気です。

ハイグレードの物件は、礼金以外にも家賃や管理費など全体的に費用が高くなる傾向があるため、費用の明細を確認しましょう。

短期で解約されないようにするため

礼金を高くすることで、入居者が短期で解約するのを防ぐ役割があります。 初期費用を高くしておくことで、すぐに引っ越すのはもったいないと思いやすくなるためです。

オーナーとしても入居者に短期で解約されると、ハウスクリーニング代や募集にかかる費用を再度支払わなければなりません。

入居者が長期で住むほど家賃収入が安定するため、初期費用をある程度高くすることで、短期で解約するのを引き留める要因になっているのです。

家賃が相場よりも安いため

礼金を高く設定して、代わりに家賃を相場よりも安くしているケースもあります。

家賃が安いと、空室になっても入居者が決まりやすいのがメリットです。 多くの人は、賃貸物件を選ぶ際に予算(家賃)を重視するため、家賃が安いと興味を持ってもらいやすくなります。

しかし、オーナーの家賃収入もその分低くなるため、代わりに礼金で補填するために高く設定していることがあります。

オーナーが収入を確保するため

そもそも、オーナーが自分の収入を確保するために礼金を高くしている場合があります。

礼金は、オーナーが自由に使える貴重な収入源です。 礼金を高く設定することで、入居者が退去した際にかかるハウスクリーニング費用や、不動産会社に支払う仲介手数料を確保していることがあります。

また、利益を増やすために礼金を高く設定し、入居者が決まらなければ下げるなど金額設定に工夫しているオーナーもいます。

きちんと支払える入居者に住んでもらうため

初期費用が高くても、きちんと支払える入居者に住んでもらいたいというオーナーの意向で礼金を高くしているケースがあります。

オーナーには、入居者に家賃を滞納されるリスクが常にあります。 初期費用が高いと、金銭面に余裕がない人は申し込めなくなるため、家賃滞納リスクを軽減することが可能です。

礼金を安く済ませる方法

礼金を安く済ませるには、以下の方法があります。

  • 礼金なしの物件を選ぶ
  • 礼金の値下げ交渉をする

それぞれ詳しく解説します。

礼金なしの物件を選ぶ

礼金を安く済ませたい場合は、そもそも礼金がない物件や、相場よりも安い物件を探しましょう。 希望条件を満たしたうえで礼金なしの物件があれば、初期費用を抑えられます。

礼金の有無は、物件やエリアによって異なります。 国土交通省の「令和4年度住宅市場動向調査報告書」によると、礼金の有無は以下のとおりです。

エリア

礼金ありの割合

礼金なしの割合

首都圏

49.8%

42.2%

中京圏

21.1%

60.0%

近畿圏

48.7%

47.4%

平均

44.8%

46.5%

礼金なしの割合は、首都圏や近畿圏で約40〜50%、中京圏で約60%などエリアで傾向が異なることがわかります。

ただし、礼金なしの場合でも、その他にかかる費用が多いと結果的に安くならないため、初期費用がいくらになるのかを確認しておきましょう。

礼金の値下げ交渉をする

礼金を安く済ませたい場合は、値下げ交渉をしてみましょう。 値下げ交渉は、物件を紹介してもらった不動産会社を通じてオーナーに行うのが一般的です。

礼金の値下げ交渉による下げ幅は、家賃の0.2〜0.5か月分をひとつの目安にしましょう。 たとえば、家賃10万円で礼金10万円の賃貸物件の場合は、礼金を5〜8万円に抑えるのを目標にすると良いでしょう。

礼金の値下げ交渉は、入居の申し込み直前に行うのがおすすめです。 契約の意思を伝えることで、オーナーも前向きに検討してもらえる可能性が高くなるためです。

ただし、礼金の値下げ交渉に応じるかはオーナー次第になります。 交渉するのは不動産会社の担当者であるため、応対の際は言葉遣いや態度に気をつけておきましょう。

まとめ

賃貸物件で礼金が高い6つの理由や、礼金を安く済ませる方法を解説しました。

礼金はオーナーに支払う謝礼金で、家賃の1〜2か月分が相場です。 礼金が相場よりも高い物件があるのは、以下の理由が考えられます。

  • 好条件の物件であるため
  • ハイグレードの物件であるため
  • 短期で解約されないようにするため
  • 家賃が相場よりも安いため
  • オーナーが収入を確保するため
  • きちんと支払える入居者に住んでもらうため

礼金を安く済ませたい場合は、そもそも礼金なしの物件を選ぶか、値下げ交渉をする方法があります。

ただし、礼金の値下げ交渉に応じるかはオーナー次第です。

礼金が安くても、他の初期費用が高ければ費用は安くならないため、賃貸物件を選ぶ際は、初期費用の金額や物件の状況など総合的に判断するようにしましょう。

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iimon 編集部

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