賃貸物件の間取りを見ていると、「メゾネットタイプ」と表記されている物件を見たことはありませんか?
メゾネットタイプの賃貸物件の数は多くありませんが、どのような特徴があるのか知っておくことで、物件の選択肢が広がるでしょう。
この記事では、メゾネットタイプの賃貸物件のメリット・デメリットを解説します。 内見の際にチェックすべきポイントも紹介しているため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
メゾネットとは?
メゾネットとは、マンションやアパートなどの集合住宅において、2階以上の階層で構成された物件のことです。
メゾネット(maisonnette)はフランス語で「小さな家」を意味し、日本語では「複層住宅」とも呼ばれます。
メゾネットタイプの物件は、長屋のような連棟式が多いですが、マンションの一部分のみメゾネットタイプになっているケースもあります。 たとえば、7階建てマンションの1〜5階は普通の物件で、6階と7階はメゾネットタイプとなっているようなケースです。
メゾネットタイプの物件は、マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいながら、一戸建てのような暮らしができるのが特徴です。
ロフトとの違い
メゾネットタイプと似ているものに「ロフト」がありますが、ロフトは建築基準法においては部屋ではなく「小屋裏物置等」と定義されています。 ロフトの広さは居室面積の2分の1未満で、天井の高さは1.4mまでの制限があります。
一方、メゾネットタイプはロフトのような制限がありません。 上階と下階があるという点で共通していますが、ロフトはワンフロアの天井が低い収納スペース、メゾネットは部屋として活用できる点で異なります。
メゾネットタイプの物件のメリット
メゾネットタイプの物件のメリットは以下のとおりです。
- 居住スペースを分けられる
- 風通しや日当たりを確保しやすい
- 子育てしやすい
それぞれ詳しく見ていきましょう。
居住スペースを分けられる
メゾネットタイプの物件は、一戸建てのように1階と2階で居住スペースを分けられます。たとえば、1階はリビング・ダイニング、2階は書斎や寝室などのように分けると、急な来客があってもプライベート空間を見られずに済みます。
風通しや日当たりを確保しやすい
メゾネットタイプの物件は、1階と2階に窓があり、風通しや日当たりを確保しやすいのが特徴です。
吹き抜けがある物件は開放感があり、おしゃれな空間になるでしょう。
子育てしやすい
メゾネットタイプの物件は、子育てしやすい特徴があります。 子ども部屋を2階に作れば、子どもが走り回っても足音や生活音が階下の住民に伝わりにくくなります。
近隣トラブルになりにくいため、子育て世帯にもおすすめです。
メゾネットタイプの物件のデメリット
一方、メゾネットタイプの物件のデメリットは以下のとおりです。
- 上下階の移動が大変
- 光熱費がかかりやすい
- 居室スペースが狭くなりやすい
それぞれ詳しく解説します。
上下階の移動が大変
メゾネットタイプの物件は、階段の上り下りが多くなるため、不便を感じやすくなります。
たとえば、1階に洗濯機、2階にベランダがあるようなメゾネットタイプの物件は、通常の物件よりも家事動線が長くなるでしょう。 階段があることで掃除の手間がかかるほか、バリアフリー性も低いことで転落事故の危険性も生じます。
洗濯物や大きな荷物を抱えて階段を上り下りするのは大変なので、メゾネットタイプの物件に住む場合は、階段のリスクを理解しておきましょう。
光熱費がかかりやすい
メゾネットタイプは、居住スペースが1階と2階に分かれているため、光熱費が通常の物件よりもかかりやすいのがデメリットです。
夏場は上階に熱がこもり、冬場は冷気が下階に移動する性質があるため、部屋全体の温度を快適にするには時間がかかるでしょう。
吹き抜けがあるメゾネットタイプも、空間が広くなることで冷暖房効率が悪くなります。メゾネットタイプの間取りや断熱性にも左右されますが、光熱費は通常の物件よりもかかる傾向があります。
居室スペースが狭くなりやすい
メゾネットタイプの物件には階段があるため、通常の物件と床面積が同じでも使えるスペースは狭くなりがちです。 階段下を収納スペースとして活用している物件もあるため、内見時は階段の位置や、階段下スペースを有効に活用できるかなど確認しておきましょう。
メゾネットタイプの賃貸物件の内見ポイント
メゾネットタイプの賃貸物件を内見する際に、確認しておくべきポイントは以下のとおりです。
- ポイント1. 【間取り】
- ポイント2. 【階段】
- ポイント3. 【冷暖房の効率】
- ポイント4. 【防音性】
内見の際に細かく確認することで、メゾネットタイプの賃貸物件が自分や家族のライフスタイルに合うか見極められます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポイント1. 【間取り】
内見の際は間取りを確認し、水回り設備の位置や生活動線をチェックしましょう。 水回り設備が上下階どちらにあるのか、洗濯機からベランダまでの動線が長くないかなどを確認することで、住んでから後悔する可能性を減らせます。
また、玄関とトイレが同じ階にあれば、来客時に使い勝手が良いでしょう。 内見時は実際に生活している光景をイメージしながら細かく確認しましょう。
ポイント2. 【階段】
階段の使いやすさは、快適に暮らすうえで重要なポイントです。内見の際は以下の内容をチェックしましょう。
- 階段の傾斜や踏み板の幅
- 手すりの有無
- 階段下スペースの仕様
実際に住むとなると、毎日何度も階段を上り下りすることになるため、安全面や体に負担がかからないか確認しましょう。
ポイント3. 【冷暖房の効率】
メゾネットタイプや吹き抜けになっている賃貸物件は、冷暖房の効率が悪くないか確認しましょう。窓や建物全体の断熱性能などは、不動産会社の担当者に質問しましょう。
空気を循環させるシーリングファンが設置されていれば、冷暖房の効率は良くなりますが、もしなければサーキュレーターを使うなど工夫が必要です。
ポイント4. 【防音性】
メゾネットタイプの賃貸物件は音や声が反響しやすくなるため、以下のような音がどのように聞こえるか、防音性をチェックしましょう。
- 階段を実際に上り下りしたときの音
- 吹き抜けがある場合は声の響き方
- 上階で歩いた足音の下階への伝わり方
上下階に居住スペースがあると、生活音や声が大きくなりがちです。 とくに、子どもがいる世帯は近隣クレームが発生しないように、声の反響や足音など細かくチェックしましょう。
まとめ
メゾネットタイプの物件のメリット・デメリットや、内見ポイントを解説しました。
メゾネットタイプの物件は、マンションやアパートなどの集合住宅に住みながら、一戸建てのような暮らしができます。 居住スペースを分けられ、子育てしやすいメリットがある反面、上下階の移動が大変で、光熱費がかかりやすいデメリットがあります。
メゾネットタイプの賃貸物件を検討する場合、内見の際に間取りや階段、防音性などをチェックしておきましょう。
メゾネットタイプの賃貸物件は、通常の物件とは異なる魅力があります。
本記事で紹介したメゾネットタイプの物件のメリット・デメリットを理解し、魅力を感じた人は物件選びの選択肢に加えてみてはいかがでしょうか?
iimon 編集部