家賃で10万円を支払っていると「お金がもったいない」と思うことはありませんか? 賃貸で家賃10万円を支払い続けるか、マイホームを購入するかで悩んでいる人もいるでしょう。
そこでこの記事では、なぜ家賃10万円の賃貸がもったいないと感じるのか、その理由や賃貸とマイホーム購入のコストの比較などを解説します。
家賃10万円が向いている人の特徴も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
家賃10万円がもったいないと感じる理由
家賃10万円がもったいないと感じる主な理由は以下のとおりです。
- 家賃の支払い総額で家を購入できる
- 住宅ローン控除(減税)が使えない
- 内装や設備をリフォームできない
- 定年退職後も家賃を支払い続ける必要がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
家賃の支払い総額で家を購入できる
賃貸で家賃10万円を支払い続けるのであれば、家を購入できると考えてしまうことが、もったいないと感じる要因のひとつです。
購入した家は資産になりますが、賃貸は資産になりません。 そのため、家賃が無駄な支出と考えてしまいやすくなります。
国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、住宅ローンを利用して家を購入した世帯のローン平均返済額は以下のとおりです。
<新築住宅の場合>
住宅の種類 | 住宅ローン平均返済額(月間) |
注文住宅 (土地購入資金含む) | 14.5万円 |
建売住宅 | 10.55万円 |
マンション | 12.34万円 |
<中古住宅の場合>
住宅の種類 | 住宅ローン平均返済額(月間) |
戸建住宅 | 8.89万円 |
マンション | 8.44万円 |
新築住宅に住んでいる世帯は、住宅ローンの返済で毎月10〜15万円、中古住宅では毎月8〜9万円支払っていることがわかります。
家を購入した場合は固定資産税や修繕費などが別途必要ですが、家を購入できる金額を家賃として支払い続けることが、もったいないと感じてしまう要因です。
住宅ローン控除(減税)が利用できない
住宅ローン控除(減税)とは、一定要件を満たせば年末の住宅ローン残高の0.7%を所得税から最大13年間控除できる制度です。
控除額は1年間で最大35万円にもなり、高い節税効果を得られます。
住宅ローン控除は、マイホームの購入などで住宅ローンを利用した場合に受けられるため、賃貸で家賃を払っていても受けられません。
住宅ローン控除が受けられないにもかかわらず、住宅ローン返済額と同じくらいの金額を家賃として支払い続けることが、もったいないと考える人もいるでしょう。
参照元:国土交通省|住宅ローン減税
内装や設備をリフォームできない
家賃10万円支払っていても、賃貸物件では内装や設備を自由にリフォームできません。
ペットの飼育や楽器の使用などに制約がある物件も多く、不自由に感じる可能性があります。
自分好みの暮らしやリフォームをしたい人は、賃貸で高い家賃を払うのはもったいないと感じ、家を購入したほうが良いのではと考えやすくなります。
定年退職後も家賃を支払い続ける必要がある
家を購入した場合、住宅ローン完済後は固定資産税を支払うだけで住み続けられますが、賃貸の場合、住んでいる限り家賃の支払いが続きます。
定年退職などで収入が減っても家賃の負担は変わらないため、長期的に考えると不安やもったいないと感じやすくなります。
家賃10万円の賃貸とマイホーム購入のコストを比較!
家賃10万円の賃貸がもったいないと感じる理由を解説しましたが、ここでは賃貸とマイホームを購入した場合のコストを以下の条件で比較してみましょう。
【条件】
- 賃貸:家賃10万円(管理費含む) 更新料2年ごとに家賃1か月分
- 購入:住宅ローン返済額毎月10万円(返済期間30年) 固定金利1% ボーナス払いなし 固定資産税は1年間10万円と仮定
この条件で10年経過ごとの支払い総額を算出した結果、以下のようになりました。
年数 | 家賃10万円の賃貸 | マイホーム購入 |
10年 | 1,250万円 | 1,300万円 |
20年 | 2,500万円 | 2,600万円 |
30年 | 3,750万円 | 3,900万円 |
40年 | 5,000万円 | 4,000万円 |
30年までは賃貸よりもマイホーム購入のほうが高くなりますが、住宅ローンを完済している40年の段階では、マイホーム購入のほうが安くなっています。
ただし、マイホームを購入すると、メンテナンスや修繕費用が別途かかります。マンションでは修繕積立金などの支払いも必要です。
条件によってシミュレーションの結果は異なるため、賃貸に住んだ場合とマイホームを購入した場合を、実際の物件を参考にして比較してみましょう。
家賃10万円の賃貸が向いている人
マイホーム購入よりも、家賃10万円の賃貸が向いている人の主な特徴は以下のとおりです。
- 立地の良い場所に住みたい人
- 転勤などで引っ越す可能性がある人
- 住宅手当がもらえる人
- 住宅ローンを組みたくない人
- 手取りが30万円以上ある人
それぞれ詳しく見ていきましょう。
立地の良い場所に住みたい人
駅に近かったり周辺環境が良かったりなど、立地の良い場所に住みたい人は家賃10万円でも賃貸のほうが向いている可能性があります。
立地の良い場所は土地の価格が高くなりやすく、マイホームの購入金額も高くなりがちです。 購入金額が高くなると、毎月の住宅ローン返済額も高くなるため、家賃が10万円でもマイホームを購入するより安く済む可能性があります。
立地の良い場所に住めば、通勤や買い物などの時間を短縮できるメリットがあります。 時間をお金で買うと考えれば、もったいないと思いにくくなるでしょう。
転勤などで引っ越す可能性がある人
転勤などで引っ越す可能性がある人は賃貸がおすすめです。賃貸はライフスタイルの変化に合わせて簡単に引っ越せるのがメリットです。
マイホームを購入してしまうと、単身赴任を余儀なくされたり、思うように売却できなかったりするデメリットがあります。
住宅手当がもらえる人
会社員で勤務先から住宅手当がもらえる場合は、家賃10万円の賃貸でも負担が軽減されます。
厚生労働省の「令和2年就労条件総合調査」によると、住宅手当を支給している企業の割合は47.2%で、平均支給額は1.78万円でした。
家賃10万円でも住宅手当で1.78万円支給されると、自己負担は8.22万円に抑えられます。
住宅ローンを組みたくない人
住宅ローンという借金を長期にわたって背負いたくない人は、賃貸のほうがストレスなく暮らせるでしょう。
家賃10万円がもったいないと感じるのであれば、10万円以下の物件に引っ越すことで解消できます。
住宅ローンの返済を重荷に感じる人や、収入が安定せず不安な人は賃貸が向いています。
手取りが30万円以上ある人
収入やお金に余裕があれば、家賃が10万円でももったいないと感じにくくなるでしょう。
一般的に賃貸物件の家賃は、手取りの3分の1以下が目安です。手取りが30万円以上あれば、家賃10万円でも無理なく暮らせるでしょう。
まとめ
家賃10万円がもったいないと感じる理由や、マイホーム購入とのコストの比較、賃貸が向いている人の特徴を解説しました。
家賃10万円がもったいないと感じるのは、マイホームを購入できる金額を家賃として支払い続けることが理由のひとつです。 住宅ローン控除などの節税ができない、物件を自由にリフォームできないなどの制約も理由として考えられます。
家賃10万円の賃貸が向いているのは、立地の良い場所に住みたい人や、引っ越す可能性がある人などが挙げられます。
賃貸とマイホームの購入はそれぞれメリットがあるため、自分のライフスタイルに合わせて選びましょう。
iimon 編集部