賃貸物件を借りると、毎月家賃の支払いが必要です。
家賃は、生活費のなかで大きな割合を占めるため、できる限り安くしたいですよね。
家賃が安い時期は、一般的に5〜8月が狙い目です。
家賃が安いと、毎月の支払い負担を軽減できるだけでなく、物件探しや初期費用においてもメリットがあります。
この記事では、家賃が安い時期について解説します。
家賃が安い時期に契約するメリット・デメリットも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
賃貸物件の家賃が安い時期は?
賃貸物件の家賃が安い時期は、5月から8月とされています。
ここでは、1年間を4つに区切って、家賃の安い時期・高い時期を見ていきましょう。
【5〜8月】家賃が最も安い時期
5〜8月は、賃貸業界のオフシーズンにあたります。
3月末で退去した人の空室があっても、梅雨から暑い夏にかけての時期は、新しい入居希望者の数が少なくなるためです。
また、夏休みやお盆休みなどの長期休暇のタイミングでは、帰省や旅行の予定が入りやすいため、引っ越す人が限定されるでしょう。
しかし、オーナーとしては空室が続くと家賃収入を得られないため、家賃や初期費用を下げて集客を試みます。
そのような背景により、5〜8月は1年間で家賃が最も安い時期になります。
【9〜10月】家賃が少し高めの時期
10月は、年度の下半期が始まるタイミングであり、異動や転勤が増える時期です。
そのため、9月に入ると下がっていた家賃が元に戻ったり、少し高めに設定されたりするケースがあります。
【11〜1月】家賃が高止まりの時期
11〜1月になると、賃貸需要はふたたび落ち着きます。
しかし、2月以降の賃貸需要が高い時期を見据えて、家賃が高止まりする場合が多いでしょう。
【2〜4月】家賃が最も高い時期
2〜4月は不動産業界の繁忙期にあたります。
4月は進学や就職などで新生活を始める人が多く、賃貸需要が最も高まります。
そのため、2〜4月は1年間で家賃が最も高い時期だといえるでしょう。
引っ越し費用も割高になるため、4月に入居する必要がなければ、時期をずらしたほうが良いでしょう。
家賃が安い時期に契約するメリット
家賃が安い時期に契約するメリットは、主に以下のとおりです。
- 初期費用を抑えやすい
- 引っ越し費用が安い
- 物件探しや内見に時間をかけやすい
それぞれ詳しく解説します。
初期費用を抑えやすい
賃貸物件を借りる際は、以下のような初期費用がかかります。
初期費用の内訳 | 費用相場 |
敷金 | 家賃1〜2か月分 |
礼金 | 家賃1〜2か月分 |
仲介手数料 | 家賃0.5〜1か月分 |
前払い家賃 | 家賃1か月分 |
火災保険料 | 1〜2万円 |
その他の費用 | 家賃0.5〜1か月分 |
合計 | 家賃4〜6か月分 |
敷金・礼金・仲介手数料などは、家賃を基準に設定されることが多いため、家賃が安いと初期費用も抑えやすいでしょう。
また、賃貸物件の空室を早く埋めるために、オーナーがキャンペーンで敷金・礼金をなしにしたり、不動産会社が仲介手数料を安くしたりするケースもあります。
入居希望者が少ない時期では、値下げ交渉にも応じてもらいやすいでしょう。
ただし、高圧的な態度で値下げ交渉しても、かえって印象が悪くなり断られる可能性が高くなるため、言葉遣いや態度には注意しましょう。
賃貸物件の初期費用を抑えることで、貯金や家具・家電の購入費用などに充てられます。
引っ越し費用が安い
家賃が安い時期は、引っ越し費用も比較的安い傾向があります。
通常期(5〜1月)と繁忙期(2〜4月)にかかる引っ越し費用の相場を、移動距離別でまとめると以下のようになります。
引っ越し先までの移動距離 | 通常期(5〜1月) | 繁忙期(2〜4月) |
50km未満(同都道府県程度) | 3〜6万円 | 4〜7万円 |
200km未満(同一地方程度) | 4〜7万円 | 5〜9万円 |
500km未満(近隣地方程度) | 5〜9万円 | 6〜11万円 |
500km以上(遠距離地方程度) | 7〜11万円 | 7〜13万円 |
※参考:引っ越し見積もり比較サイト SUUMO|引越し費用・料金の相場(2024年8月時点)
通常期の5〜1月は引っ越しの依頼が集中することは少ないため、比較的安く引っ越しできます。
引っ越しの予約も希望日で取りやすく、スムーズに進めやすいでしょう。
また、平日や月の前半、夕方に引っ越し日時を設定することで、さらに費用を抑えられる可能性があります。
一方、2〜4月は引っ越し業者が繁忙期になるため、引っ越し費用も割高です。
家賃だけでなく、引っ越し費用も含めてトータルで考えることで、大幅な節約につながります。
物件探しや内見に時間をかけやすい
2〜4月の繁忙期に比べて、5〜1月の家賃が安い時期は、物件探しや内見に時間をかけられるのもメリットです。
繁忙期は入居を希望する人が多く、時間がかかってしまうと先に申し込まれてしまいます。
一方、家賃が安い時期は賃貸需要も少ないため、じっくりと物件を比較検討できます。
複数の物件を内見し、周辺環境や通勤・通学のしやすさなども含めて、自分に最適な物件を選べるでしょう。
また、不動産会社の担当者ともしっかりコミュニケーションを取れるため、詳細な情報を把握しやすくなります。
家賃が安い時期に契約するデメリット
家賃が安い時期に契約するデメリットは、主に以下のとおりです。
- 賃貸物件の数が少ない
- 新生活のお得なキャンペーンがない
- 退去費用が必要になる可能性がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
賃貸物件の数が少ない
家賃が安い時期は、賃貸物件の数が少ない傾向があります。
2〜4月の繁忙期を過ぎた後は、多くの人が入居を完了しているため、物件数が減少します。
また、繁忙期を過ぎても空室の物件は、条件が悪い可能性があるでしょう。
そのため、希望条件に合う賃貸物件を見つけるのに時間がかかったり、妥協が必要になったりすることが考えられます。
ただし、人気のエリアや駅近の賃貸物件は、この時期でも競争率が高いこともあるので注意しましょう。
新生活のお得なキャンペーンがない
2〜4月の繁忙期は、新生活を応援するキャンペーンがよく実施されます。
たとえば、家電量販店や家具店などで、新生活に必要な商品がセットになったお得なパックが販売される場合があります。
しかし、家賃が安い時期にはキャンペーンがほとんど行われません。
新生活に必要な家具や家電を、通常価格で購入する必要があります。
退去費用が必要になる可能性がある
家賃が安い時期に入居すると、退去費用が必要になる可能性があります。
家賃が安い時期は、オーナーが集客のために敷金・礼金をなしにしているケースがあります。
通常、退去費用は敷金から差し引かれますが、入居時に支払っていないと、退去費用を準備しなければなりません。
賃貸物件に入居する際は、退去費用の取り決めについても確認しておきましょう。
まとめ
1年間で家賃が安い時期は、5月から8月が狙い目です。
一方、2〜4月は新生活に向けて賃貸物件を借りる人が多くなるため、家賃が最も高くなります。
家賃が安い時期に契約するメリット・デメリットは以下のとおりです。
家賃が安い時期に契約するメリット | 家賃が安い時期に契約するデメリット |
・初期費用を抑えやすい ・引っ越し費用も安い ・物件探しや内見に時間をかけやすい | ・賃貸物件の数が少ない ・新生活のお得なキャンペーンがない ・退去費用が必要になる可能性がある |
入居時期を調整できる場合は、2〜4月の繁忙期を避けて、5〜8月を狙うのがおすすめです。
家賃が安い時期を理解したうえで、お得に賃貸物件を借りましょう。
iimon 編集部