家賃は、生活費において最も大きな割合を占める支出です。
一般的には、手取り額の3分の1以下が家賃の目安といわれています。
しかし、東京都内や人気のエリアなどでは、家賃相場が高く、手取り額の3分の1以下に抑えるのが難しい場合もあるでしょう。
この記事では、手取り額別の家賃の目安や、毎月かかる生活費をシミュレーションしていきます。
家賃を手取り額の3分の1以下に抑えるコツや、3分の1を超える場合の対策・注意点も紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
家賃は手取り額の3分の1以下が目安
賃貸物件を借りる際、家賃は「手取り額の3分の1以下」が1つの目安です。
手取り額の3分の1以下を家賃に充てて、残りの3分の2で他の生活費を捻出します。
しかし、実際には地域や賃貸物件によって家賃相場が異なるため、この目安を超えてしまう場合があります。
【手取り額別】家賃の目安
手取り額の2〜3割を家賃に充てる場合、手取り額別の家賃の目安は以下のようになります。
手取り額 | 家賃の目安 |
15万円 | 3〜4.5万円 |
20万円 | 4〜6万円 |
25万円 | 5〜7.5万円 |
30万円 | 6〜9万円 |
35万円 | 7〜10.5万円 |
40万円 | 8〜12万円 |
ただし、家賃が手取り額の3割以下であっても、その他の支出が多ければ家計を圧迫するケースがあるため注意が必要です。
可能であれば、家賃は手取り額の2割や2.5割までに抑えられると、余った資金を貯蓄に回しやすくなるでしょう。
【手取り額別】毎月の生活費をシミュレーション
次に、総務省の家計調査を基にして、手取り額別の生活費の内訳を以下にシミュレーションしてみました。
| 手取り15万円 | 手取り20万円 | 手取り25万円 |
家賃 | 54,000円 | 60,000円 | 78,000円 |
食費 | 26,000円 | 31,000円 | 35,000円 |
水道光熱費 | 10,000円 | 12,000円 | 13,000円 |
生活用品費 | 3,000円 | 6,000円 | 8,000円 |
被服費 | 5,000円 | 8,000円 | 10,000円 |
保健医療費 | 5,000円 | 6,000円 | 6,000円 |
交通費 | 5,000円 | 8,000円 | 9,000円 |
通信費 | 8,000円 | 10,000円 | 11,000円 |
娯楽交際費 | 14,000円 | 19,000円 | 25,000円 |
貯金 | 15,000円 | 28,000円 | 40,000円 |
その他 | 5,000円 | 12,000円 | 15,000円 |
合計 | 150,000円 | 200,000円 | 250,000円 |
生活費の金額は、人やタイミングによって異なるため、あくまで目安として考えておきましょう。
なお、貯金は手取り額の10%以上を目安にするのがおすすめです。
※参照:総務省|家計調査 1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号1
家賃を手取り額の3分の1以下に抑えるコツ
「賃貸物件を借りたいけれど、家賃を手取り額の3分の1以下に抑えるのは無理。」
そのような人は、以下のようなコツを実践することで、家賃を抑えやすくなります。
- 駅から離れた賃貸物件を選ぶ
- 築年数が経過している賃貸物件を選ぶ
- 部屋の広さや間取りを抑える
それぞれ詳しく解説します。
最寄り駅から離れた賃貸物件を選ぶ
最寄り駅から徒歩圏内の賃貸物件は便利ですが、その分家賃も高くなりがちです。
駅から少し離れた賃貸物件を選ぶことで、家賃を抑えやすくなります。
たとえば、駅から徒歩15分以上離れた物件や、バスが必要な物件を選ぶことで、家賃が20〜30%程度安くなる可能性があります。
ほかにも、各駅停車しか電車が停まらない駅周辺は、家賃相場が安いことが多いです。
特急駅のとなりの駅が各駅停車のみの駅であれば、少しエリアを変えるだけで家賃を抑えやすくなるでしょう。
ただし、通勤時間が長くなると不便を感じる可能性があるため、内見の際に実際に歩いてみて、問題がないかを確認するようにしましょう。
築年数が経過している賃貸物件を選ぶ
賃貸物件を探す際は、築年数で絞り込みすぎないようにすると良いでしょう。
新築や築浅の賃貸物件は、設備や内装が新しく快適に過ごせる反面、家賃が高くなります。
一方、築年数が経過している賃貸物件は、設備や内装は劣る反面、家賃は比較的安めです。
また、たとえ築年数が経過していても、リフォームやリノベーションをしていれば、新築のような内装の賃貸物件も数多くあります。
賃貸物件の築年数だけで判断せず、実際に内見して室内や設備の状態をしっかりと確認することが重要です。
部屋の広さや間取りを抑える
部屋が広かったり部屋数が多かったりする賃貸物件は快適ですが、家賃も比例して高くなります。
必要最小限の広さや間取りの賃貸物件を選ぶことで、家賃を抑えることが可能です。
たとえば、1Kや1DKの賃貸物件を選ぶことで、2DKや1LDKよりも家賃を抑えられるでしょう。
ただし、ライフスタイルや賃貸物件に求める希望条件などを踏まえたうえで、自分に合う広さや間取りを選ぶことが大切です。
家賃が手取り額の3分の1を超える場合の対策・注意点
家賃が手取り額の3分の1を超えてしまう場合は、以下のような対策を講じたり注意点を押さえたりしておくことで、生活しやすくなるでしょう。
- 節約する
- 収入が減るリスクを考慮しておく
- 生活費の支払いにボーナスを含めない
それぞれ詳しく解説します。
節約する
家賃が手取り額の3分の1を超える場合は、その他の生活費をできる限り節約することで、収支のバランスが取れます。
具体的には、以下のような方法を検討しましょう。
- 外食の頻度を減らす
- 節電・節水を心がける
- 格安スマホに切り替える
- 徒歩や自転車で移動する
外食の頻度を減らして自炊したり、シャワーヘッドを節水タイプに変えたりなど、日々の無駄遣いを減らすことで、節約につながります。
ただし、過度な節約は生活の質を下げてしまい、ストレスの原因になる可能性があります。
そのため、自分にとって重要な支出は残しつつ、優先度の低い支出を見直すことが重要です。
収入が減るリスクを考慮しておく
現在の収入を基に家賃を決めても、将来的には収入が減るリスクがあります。
そのため、まずは貯蓄や毎月かかる生活費などを把握し、自分が無理なく支払える家賃の上限を調べたうえで、賃貸物件を選ぶことが重要です。
家賃は生活費のなかで最も大きな割合を占めるため、リスクを考慮し家賃を抑えておくことで、収入が変動した際にも対応しやすくなります。
生活費の支払いにボーナスを含めない
ボーナスは不確実な収入であるため、毎月の生活費の支払いにボーナスを含めないことが重要です。
ボーナスは臨時収入として扱い、貯金や特別な支出(旅行・高額な買い物など)に充てるようにしましょう。
毎月の手取りのみで生活費をまかなえるように家計を管理することで、ボーナスが変動した場合でも、安定した生活を送れるでしょう。
まとめ
家賃は手取り額の3分の1以下が目安です。
手取り額が20万円の場合、家賃は4〜6万円を目安に考えましょう。
もし、家賃を手取り額の3分の1以下に抑えるのが難しい場合は、最寄り駅から少し離れていたり、築年数が経過していたりする賃貸物件を選ぶことで、家賃を抑えやすくなります。
家賃が手取り額の3分の1を超える場合は、その他の生活費を節約し、ボーナスを生活費の支払いに充てないように注意しましょう。
家賃の設定を誤ると、家計に大きな負担がのしかかるため、賃貸物件を選ぶ際は慎重に判断しましょう。
iimon 編集部