敷金・礼金なし物件のデメリット3選!後悔しないためのポイントも解説

更新日:2024.06.07

賃貸

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賃貸物件のなかには、「敷金・礼金なし」の物件があります。 どちらもゼロ円であることから「ゼロゼロ物件」と呼ばれることもありますが、「敷金・礼金なしの物件にはデメリットがあるのだろうか」と不安に感じる方も多いでしょう。

そこでこの記事では、敷金・礼金なし物件のデメリット3選を解説します。 入居してから後悔しないためのポイントも解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。

【基礎知識】敷金・礼金とは?

まずは、敷金と礼金についての理解を深めておきましょう。

敷金とは

敷金とは、賃貸物件を借りる際に担保として預ける費用です。 退去時に家賃の未納がない場合は、敷金から部屋の修繕費を差し引かれ、残ったお金は返金されるのが一般的です。

礼金とは

礼金とは、賃貸物件を借りる際にオーナーへお礼の意味合いで支払う費用です。 敷金とは異なり、礼金は返金されません。

敷金・礼金の相場

敷金と礼金の有無は、物件によって異なります。 国土交通省の「令和4年度 住宅市場動向調査報告書」によると、エリアごとの敷金・礼金の有無は以下のとおりです。

エリア

敷金ありの割合

敷金なしの割合

首都圏

66.4%

26.9%

中京圏

41.1%

42.1%

近畿圏

53.2%

43.5%

平均

58.7%

33.9%

エリア

礼金ありの割合

礼金なしの割合

首都圏

49.8%

42.2%

中京圏

21.1%

60.0%

近畿圏

48.7%

47.4%

平均

44.8%

46.5%

首都圏では敷金ありの割合が多く、中京圏では礼金なしの割合が多い結果となりました。

また、「敷金・礼金あり」と回答した世帯に、家賃の何か月分支払ったのかを調査したところ、以下のような結果になりました。

支払った家賃の月数

敷金

礼金

1か月未満

1.8%

1.6%

1か月分

64.9%

69.4%

1か月超〜2か月未満

4.0%

5.2%

2か月分

25.0%

17.7%

2か月超3か月未満

0.9%

0.8%

3か月分

3.0%

4.4%

敷金・礼金ともに家賃1か月分が最多でした。

調査からもわかるように、敷金・礼金の相場は家賃1〜2か月分が目安になるでしょう。

出典:国土交通省|令和4年度住宅市場動向調査報告書

敷金・礼金なし物件が存在する理由

ここでは、敷金・礼金なし物件が存在する理由を解説します。

敷金なし物件が存在する理由

敷金なし物件が存在する理由は、以下の方法で敷金の役割を補えるためです。

  • 退去時に修繕費を請求している
  • 賃貸保証会社を利用している

敷金は、入居者が家賃滞納した際や退去時の部屋の修繕費に充当されますが、物件によっては敷金をなしにして、退去時に修繕費を請求しているケースがあります。

また、賃貸保証会社を利用すれば、万一入居者が家賃を滞納しても、立て替えて支払ってくれます。賃貸保証会社の加入が必須の物件では、敷金の必要性が少なくなるでしょう。

敷金なし物件では、修繕費の請求や賃貸保証会社の利用など、敷金の代わりとなるもので補っていることが一般的です。

礼金なし物件が存在する理由

礼金なし物件が存在する理由は、入居者が入居しやすくするためです。

オーナーにとって最大のデメリットは、空室期間が長いことです。空室期間が長いと家賃収入を得られず、ローンの返済など資金繰りに悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

礼金を受け取るよりも、空室期間を短くしたいと考えるオーナーが、礼金なしで募集しているケースがあります。

敷金・礼金なし物件のデメリット3選

敷金・礼金なし物件のメリットは、初期費用が抑えられる点ですが、デメリットは以下の内容が考えられます。

  1. 家賃が相場よりも高い可能性がある
  2. 物件の条件が悪い可能性がある
  3. 退去費用が高くなりやすい

それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 家賃が相場よりも高い可能性がある

敷金・礼金なしの物件は、家賃が相場よりも高い可能性があります。礼金がない代わりに、家賃に上乗せされていることがあるためです。

たとえば、以下のケースを比較してみましょう。

ケースA:家賃10万円・礼金1か月分

ケースB:家賃11万円・礼金なし

なお、敷金は退去時に返金されるお金であるため、ここでは省略しています。 これらのケースを比較すると、2年後の支出は以下のようになります。

ケースA:家賃10万円×24か月+礼金10万円=合計250万円

ケースB:家賃11万円×24か月+礼金0円=合計264万円

礼金なしのケースBのほうが、2年後には礼金ありのケースAよりも支出が14万円も増えていることがわかります。

礼金なしの場合でも、家賃が相場よりも高いと支出が増えるため注意しましょう。

2. 物件の条件が悪い可能性がある

敷金・礼金なし物件は、立地が悪い、築年数が古いなど不人気で条件が悪い可能性があります。

物件の条件が悪いと、入居検討者に敬遠されて空室期間が長くなりやすいでしょう。 そのため、早く空室を埋めるために、敷金・礼金をなしにして、入居しやすくしているケースがあります。

敷金・礼金なしの物件は入居前に内覧を行い、立地や物件状況を確認してから決めるようにしましょう。

3. 退去費用が高くなりやすい

敷金・礼金なし物件は、退去時に修繕費を請求されることが多く、退去費用が高くなりやすいでしょう。

修繕費は敷金を支払っていれば相殺できますが、敷金を支払っていないとすべて請求されてしまうためです。

敷金・礼金なし物件は、退去時にかかる費用も想定しておきましょう。

敷金・礼金なし物件で後悔しないためのポイント

敷金・礼金なし物件に入居して後悔しないためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 家賃相場を把握する
  • 入居・退去時に必要な費用を確認する
  • 入居前に室内のキズや汚れを記録しておく

それぞれ詳しく解説します。

家賃相場を把握する

物件探しをする際は、エリアの家賃相場を把握しておきましょう。 家賃相場を把握することで、高い家賃で後悔する可能性を減らせます。

前述したように敷金・礼金なしの物件でも、家賃が相場よりも高いと結果的に負担が大きくなる可能性があるため注意しましょう。

入居・退去時に必要な費用を確認する

敷金・礼金なし物件では、契約書の内容を確認し、入居・退去時に必要な費用をすべて確認しておきましょう。

たとえば、敷金・礼金がなしでも、短期解約した際の違約金や、退去時にハウスクリーニング代を請求するなどの特約事項が契約書に明記されている可能性があります。

敷金・礼金なしはお得に感じやすいですが、契約内容をしっかり確認し、納得したうえで契約するようにしましょう。

入居前に室内のキズや汚れを記録しておく

敷金なしの物件は、退去時に修繕費を請求されることが多いため、入居前に室内のキズや汚れを記録しておくのがおすすめです。

入居者の故意・過失によるキズは、入居者が修繕費を負担します。 築年数が古い物件ではキズも多くあり、入居者によるものかどうか判断するのが難しいケースがあります。

入居者が負担する必要がないキズまで請求されないように、入居前に室内のキズや汚れを確認し、写真など記録として残しておきましょう。

まとめ

敷金・礼金なし物件は、入居時にかかる費用(初期費用)を抑えたい方にはおすすめです。ただし、物件の条件が悪かったり、退去時に修繕費を請求されたりする可能性があります。

入居してから後悔しないためには、物件周辺の家賃相場や、入居・退去時にかかる費用を把握しておくのがポイントです。

敷金・礼金以外に発生する費用や特約事項など、契約書に明記されている内容をしっかり確認することで、トラブル防止につながります。

敷金・礼金だけで判断するのではなく、その他の費用や物件の状況など総合的に判断して入居を決めましょう。

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iimon 編集部

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