「広い賃貸アパートに住みたい」
「居住スペースにゆとりがほしい」
このように思いながら、賃貸物件を探している人はいませんか?
賃貸アパートの広さを重視したい人は、「専有面積」について理解を深めておきましょう。
専有面積とは、物件資料に記載されている、入居者が独占的に使用できる部分の面積のことです。
一見すると、専有面積が実際に使える広さと思いがちですが、基本的に使えるのは専有面積よりも狭い範囲になります。
専有面積について正しく理解し、内見時に広さを測ることで、想定よりも狭かったと後悔する可能性を減らせるでしょう。
そこでこの記事では、アパートの専有面積について、注意点や計算方法などを解説します。
アパートの内見時の持ち物や、チェックポイントも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
アパートの専有面積とは?
アパートの専有面積とは、入居者のみが独占的に使用できる部分(専有部分)の床面積のことです。
リビングや寝室などの居室スペースや水回りスペース、クローゼットなどの収納スペースが専有面積に含まれます。
一方、アパートの階段や廊下など、誰でも使えるスペースは「共用部分」といいます。
【注意1】バルコニーやベランダは専有面積に含まれない
ここで注意しておきたいのは、バルコニーやベランダは、入居者が独占的に使用できるにもかかわらず、基本的に専有面積には含まれないことです。
その理由としては、バルコニーやベランダが、災害時にアパートの入居者の避難経路として使われるためです。
普段はその部屋に住んでいる入居者しか利用できませんが、災害時には避難経路として使う必要があるため、法律上は誰でも使える「共用部分」として扱っています。
隣のバルコニーとの仕切りを強く蹴ると、破れるようになっていたり、避難用はしごが設置されていたりするのは、そのためです。
災害時に速やかに脱出できるようにするため、バルコニーに避難時の障害物になるようなものは置かないように注意しましょう。
なお、賃貸アパートの物件資料において、ベランダやバルコニーの面積は、専有面積とは別に記載されるケースが多いです。
【注意2】ロフトも専有面積に含まれない
天井を高くして部屋の一部を二層式にした空間の「ロフト」は、以下の要件を満たすと「小屋裏収納」の扱いになり、専有面積に含まれません。
・ロフトの面積が設置した部屋の2分の1未満であること ・ロフトの高さが1.4m以下であること ・人が常に利用する用途になっていないこと ・はしごが固定されていないこと(自治体による) |
つまり、同じ専有面積の物件があっても、ロフトがある物件のほうが、使えるスペースは広くなります。
ただし、物件資料によってはロフト面積の記載が省略されている場合があるため、不動産会社に問い合わせるか、内見時に確認しておきましょう。
【アパート】専有面積の計算方法
アパートの専有面積は、「壁芯面積」と「内法面積」の2種類の計算方法があります。
それぞれの計算方法を詳しく見ていきましょう。
壁芯面積
壁芯(かべしん/へきしん)面積は、柱や壁の厚みの中心を基準にして測った面積です。
壁の厚みが半分面積に含まれるため、実際に使用できる面積よりも少し広めに計算されます。
壁芯面積は建築基準法に基づいて算出されており、物件資料も壁芯面積で記載されるのが一般的です。
内法面積
内法(うちのり)面積は、壁の内側から反対側の寸法を測った面積で、壁の厚みを含めない計算方法です。
そのため、内法面積は必然的に壁芯面積よりも狭くなります。
内法面積は、壁の内側を基準にしているため、「入居者が実際に使用できる部分の面積」を反映しています。
アパートの専有面積を比較する際は、壁芯面積と内法面積どちらの計算方法を使っているかを確認するようにしましょう。
【アパート】内見時の持ち物&チェックポイント
賃貸アパートの物件情報を見ていて、気になる物件があれば、不動産会社に連絡して内見を行いましょう。
ここでは、内見時の持ち物とチェックポイントについて解説します。
内見は、物件を直接確認できるチャンスです。
限られた時間で見落とす項目がないように、ポイントを押さえておきましょう。
内見時の持ち物
内見時は、以下の道具を持って行くことで、細かく物件を確認できます。
- スマホ(カメラ・地図・コンパス・水平器など)
- 物件資料(間取り図)
- メジャー
- 筆記用具
- スリッパ
専有面積はもちろん重要ですが、現地で測った寸法のほうが間違いありません。
測った寸法をメモできるように、筆記用具やバインダーも持って行くと効率が良いでしょう。
また、不動産会社の許可をもらって、室内を写真で撮っておけば、後から見返すことが可能です。
もし、新居に持って行く家具や家電が決まっている場合は、その寸法を把握しておくことで、実際に家具のレイアウトなどを現地で確認できます。
内見時のチェックポイント
内見時は、以下のポイントをチェックしましょう。
<[bg="#ffff00"]室内のチェックポイント[/fg]>
チェック項目 | ポイント |
日当たりの良さ | ・日光が十分に入るか |
眺望 | ・プライバシーに問題ないか |
風通し・騒音 | ・風通しが良いか ・騒音がないか |
部屋の広さ・間取り | ・部屋の数や広さに問題ないか ・想定している家具を問題なく置けるか |
ドアや窓の建て付け | ・開閉に問題ないか ・断熱性が高いか |
壁紙・床の汚れやキズ | ・汚れやキズがないか |
水回り設備の状態 | ・設備が充実しているか ・冷蔵庫や洗濯機を問題なく置けるか |
収納スペース | ・収納量に問題ないか |
コンセントの位置・電波状況 | ・テレビをどこに置けるか ・コンセントの位置や数に問題ないか ・電波は問題ないか |
家具・家電の搬入経路 | ・搬入スペースが確保できるか |
<[bg="#ffff00"]物件以外(共用部分・周辺環境など)のチェックポイント[/fg]>
チェック項目 | ポイント |
共用部分 | ・オートロック・宅配ボックスの有無 ・清掃状況 ・ゴミ捨て場の状況 ・駐輪場の有無 |
周辺の施設や学校までの距離 | ・物件から遠すぎないか ・アクセスしやすいか |
交通の便 | ・最寄り駅までの距離 ・バスの本数 |
治安 | ・人通りや街灯はあるか ・道路は整備されているか |
以上、内見時のチェックポイントをまとめました。
内見時は、室内の状況だけでなく、共用部分や周辺環境まで細かくチェックするのが重要です。
人気がある物件は、すぐに入居者が決まってしまうため、早めに内見するようにしましょう。
なお、内見する際は、不動産会社に事前に予約しておくとスムーズに進められます。
内見の印象や契約条件などを総合的に考えて、入居を申し込むかを判断しましょう。
まとめ
アパートの専有面積とは、入居者が独占的に使用できる部分(専有部分)の床面積のことです。
災害時に避難経路になるバルコニーやベランダは、共用部分扱いになるため、専有面積に含まれません。
専有面積の計算方法は「壁芯面積」と「内法面積」の2種類あります。
物件資料は壁芯面積が記載されるケースが多いですが、壁の厚みが入っているため、実際に使える面積はそれよりも狭くなります。
アパートの広さを重視する人は、内見時にメジャーで計測しておくと確実です。
内見時は、室内の状況とあわせて、共用部分や周辺環境まで細かくチェックするのが重要です。
この記事で紹介した、専有面積の知識や内見時のチェックポイントなどを活用して、物件探しで後悔しないようにしましょう。
iimon 編集部