「仲介手数料って何?」
「仲介手数料はいつ支払うの?」
賃貸契約の初期費用の中には「仲介手数料」という費用が含まれています。
しかし、いまだに仲介手数料が何なのか、なぜ必要なのか知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、以下のポイントについて詳しく解説していきます。
- 仲介手数料とは
- 仲介手数料の値引き交渉賃貸契約の初期費用を抑えるポイント
この記事を読むことで、仲介手数料の仕組みや必要性を理解でき、お得に引っ越す方法が分かります。
賃貸契約前に、仲介手数料について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
仲介手数料とは?仕組みを簡単に解説
仲介手数料とは、賃貸物件を契約するまでの間に、さまざまな業務を行ってくれた不動産会社に対して支払う「手数料」です。
不動産会社が行う主な業務は、以下のとおりです。
- 物件案内
- 契約条件の交渉
- 各書類作成
- 重要事項の説明
- 賃貸契約の締結
不動産会社にとって、仲介手数料はメインとなる売上金です。
賃貸物件を仲介したのに仲介手数料がもらえないと、不動産会社はほとんどタダ働きしているのと変わりません。
当たり前のように行っている物件案内や書類作成なども、仲介手数料に含まれる業務であることを理解しておきましょう。
仲介手数料の上限は家賃の1か月分+消費税
仲介手数料については、宅地建物取引業法第46条(※)にこのように記載されています。
「宅地建物取引業者は、国土交通大臣の定める額をこえて報酬を受けてはならない。」
国土交通大臣の定める額というのが、原則家賃の0.5か月分です。
しかし、入居者の承諾を得れば、家賃の1か月分までを仲介手数料として受け取れるという規定があります。
また、不動産会社の仲介業務は、宿泊業、クリーニング業などと同じサービスの提供に対する費用にあたるため、消費税の対象です。
よって、仲介手数料の上限は「1か月分+消費税」となります。
家賃別で見たとき、実際に支払う仲介手数料の金額は以下のとおりです。
家賃 | 0.5か月分+消費税 | 1か月分+消費税 |
50,000円 | 27,500円 | 55,000円 |
70,000円 | 38,500円 | 77,000円 |
100,000円 | 55,000円 | 110,000円 |
150,000円 | 82,500円 | 165,000円 |
※消費税10%で計算
(※)参照:宅地建物取引業法|e-Gov法令検索
仲介手数料無料でも成り立つ理由
仲介手数料は、不動産会社の売上に欠かせない費用ですが、中には「仲介手数料無料」を謳っているところもあります。
なぜ仲介手数料無料でも成り立つのか。その主な理由は以下のとおりです。
- 広告収入がある
- 自社管理物件がある
仲介手数料が無料になる理由の一つとして、不動産の広告を出すことでオーナーから広告掲載の費用をもらうことにより収益が見込めるからというがあります。
不動産広告の種類は多岐にわたり、SNSや動画などのインターネット広告から店頭掲示板、折り込みチラシなどが該当します。
また、自社管理物件であれば、仲介手数料をもらわなくても家賃収入が入るので、無理に仲介手数料を取る必要がありません。
つまり、仲介手数料無料が成り立つのは”仲介手数料以外の収益があるからなのです。
仲介手数料無料に隠されたリスク
仲介手数料無料を謳っている不動産会社の多くは、先述した「広告収入」や「自社管理物件」が理由です。
しかし、中には仲介手数料を無料にしている分、敷金や礼金を高く設定しているケースがあります。
これでは、仲介手数料が無料でも、トータルの初期費用はそれほど変わらない可能性があります。
仲介手数料無料を謳っている場合は、敷金や礼金の設定が高くないか、確かめることをおすすめします。
仲介手数料を支払うタイミングはいつ?
仲介手数料を支払うタイミングは、賃貸契約を結んだときです。
仲介手数料を単体で支払うことはなく、敷金や礼金などとあわせた初期費用として支払います。
なお、賃貸契約の初期費用には、仲介手数料以外にも敷金や礼金、前家賃、鍵交換費用、火災保険料など、さまざまな費用があります。
すべてあわせると「家賃の4~6倍」が必要になるので、事前に準備しておきましょう。
仲介手数料の値引き交渉で注意すべき3つのこと
賃貸契約の初期費用を抑えるためには、仲介手数料の値引き交渉が必要です。
しかし、仲介手数料の値引き交渉は、正直かなりハードルが高いです。
どうしても、仲介手数料の値引き交渉をしたいという方は、以下3つの注意点を参考にしてみてください。
- 閑散期に交渉する
- 交渉成立後は必ず契約する
- 横柄な態度を取らない
1. 閑散期に交渉する
仲介手数料の値引き交渉をする際は、閑散期を狙いましょう。
不動産業界は3~4月の引っ越しシーズンに繁忙期を迎え、5月以降は閑散期になります。
繁忙期は値引きしなくても入居者が決まるので、わざわざ値引きする必要がありません。
そのため、繁忙期に値引き交渉しても、ほとんどの確率で断られてしまいます。
仲介手数料を値引き交渉する際は、なるべく閑散期を狙って行うようにしましょう。
2. 交渉成立後は必ず契約する
仲介手数料の値引き交渉後、成立したのに契約しないのはマナー違反です。
交渉が成立した場合は、必ずその物件を契約しましょう。
ほかにも、ある程度契約が進んだ段階で交渉する行為もマナー違反にあたるので、注意が必要です。
3. 横柄な態度を取らない
仲介手数料の値引き交渉をする際、横柄な態度は取らないようにしましょう。
「自分は客だ」と勘違いして、担当者に横柄な態度を取る人がいます。
しかし、これはマイナスイメージです。横柄な態度を取っている人には、不動産会社も対応が悪くなり、値引き交渉の成功率は大きく下がる可能性があります。
仲介手数料の値引き交渉をする際は、真摯に行うように心がけましょう。
仲介手数料以外で初期費用を抑えるポイント
賃貸契約の初期費用を抑える方法は、仲介手数料の値引き交渉だけではありません。
仲介手数料以外で初期費用を抑えるポイントは、以下の3つです。
- 敷金・礼金がゼロの物件を探す
- フリーレント物件を探す
- 家具・家電付き物件を探す
それぞれの特徴を理解したうえで、決断するようにしましょう。
敷金・礼金がゼロの物件を探す
初期費用を抑えるには、敷金・礼金がゼロの物件を探しましょう。
敷金・礼金の相場は、それぞれ家賃の1か月分で、初期費用の中でも大きなウェイトを占めています。
そのため、敷金・礼金がゼロの物件を探せば、家賃2か月分の節約になり、初期費用も抑えられます。
ただし、敷金・礼金がゼロの物件は「駅から遠い」「一昔前の間取り」「築年数が古い」など、いわゆる人気がない物件の可能性があります。
敷金・礼金がゼロというだけで飛びつくのではなく、物件の条件や詳細を確認したうえで選ぶようにしましょう。
フリーレント物件を探す
初期費用を抑えるには、フリーレント物件を探すのもひとつです。
フリーレント物件とは、一定期間の家賃が無料になる物件のことで、家賃の1~3か月が相場です。
フリーレント期間の長い物件を選ぶことで、初期費用だけでなく、毎月の固定費も節約できます。
ただし、フリーレント物件は、家賃が相場よりも高く設定されていることがあるので注意が必要です。
人気のない物件にフリーレントを付けて入居者を集い、相場よりも高い家賃で収入を得ようと考えているオーナーもいます。
「フリーレントだから選ぶ」ではなく、周辺物件の相場を確認してから選ぶようにしましょう。
家具・家電付き物件を探す
初期費用を抑えるには、家具・家電付き物件もおすすめです。
新生活には、家具・家電が必要ですが、すべて揃えると一人暮らしでも5~10万円程度かかってしまいます。
とくにこだわりがなければ、家具・家電付き物件を選ぶことで、必要最低限のものが揃った状態で新生活をスタートできます。
家具・家電付き物件は、次の引っ越しの際に荷物が少なくなるというメリットもあります。
単身赴任や大学生の一人暮らしなどにおすすめなので、初期費用を抑えたい方は検討してみてください。
まとめ
仲介手数料とは、賃貸物件を契約するまでの間に、さまざまな業務を行ってくれた不動産会社に対して支払う「手数料」です。
不動産会社は、物件案内や契約条件の交渉、各書類作成など、さまざまな業務を行ってくれています。
仲介手数料の支払いに納得がいかない方もいるかもしれません。
しかし、不動産会社は仲介手数料をもらわないと、ほとんどタダ働きになってしまいます。
どうしても、仲介手数料を払いたくない場合は、仲介手数料半額や無料を謳っている不動産会社を選択しましょう。
また、仲介手数料の値引き交渉は難しく、可能性は薄いと考えておきましょう。
それでも挑戦したい場合は、以下のポイントに注意して交渉してみてください。
- 閑散期に交渉する
- 交渉成立後は必ず契約する
- 横柄な態度を取らない
入居者希望者にとって、仲介手数料は払いたくない費用のひとつでしょう。
しかし、不動産会社にとっては、売上金のメインとなる費用です。仲介手数料無料の不動産会社に絞って物件を探すのもひとつですが、その分選択できる物件の数は少なくなります。
敷金・礼金がゼロの物件やフリーレント物件など、仲介手数料以外にも初期費用を抑える方法はあるので、そちらを検討してみるのもいいでしょう。
iimon 編集部