賃貸物件の契約期間は2年が多く、契約期間満了後も住み続ける場合は契約を更新するのが一般的です。
契約を更新しない場合は引っ越すことになるものの、タイミングや費用について悩んでいる人もいるのではないでしょうか?
この記事では、2年契約の賃貸物件で最適な引っ越しのタイミングについて解説します。
契約更新にかかる費用と、引っ越しにかかる費用の比較も行っているため、それぞれいくら必要か具体的にイメージできるようになります。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
2年契約の賃貸物件はいつから引っ越しできる?
賃貸物件が2年契約であっても、基本的にいつでも途中解約して引っ越すことが可能です。
ただし、賃貸借契約に短期解約時違約金が設定されている場合は、違約金が発生する可能性があります。
短期違約金の期間は、半年未満や1年未満など物件により異なるため、契約書で事前に確認しておきましょう。
また、引っ越す際は退去予定日の1〜2か月前までに、管理会社やオーナーに解約を申し入れる必要があります。
解約予告の詳細についても、契約書に記載があるため、事前に確認しておきましょう。
2年契約の賃貸物件で最適な引っ越しのタイミング
2年契約の賃貸物件において、最適な引っ越しのタイミングは主に以下のとおりです。
- 契約更新のお知らせが届いたとき
- ライフスタイルが変化したとき
- 近隣トラブルに巻き込まれたとき
それぞれ詳しく解説します。
契約更新のお知らせが届いたとき
契約満了の約3か月前に、不動産会社から契約更新のお知らせが届き、そのタイミングで引っ越しを検討する人は多いです。
契約を更新する前に引っ越すことで、更新にかかる費用を支払わずに済むためです。
なお、更新時は更新料以外にも、火災保険料や保証会社の保証料などが必要になる可能性があります。
引っ越しを考えている場合は、契約を更新せずに引っ越すことで余計な出費を防げるため、良いタイミングといえるでしょう。
ライフスタイルが変化したとき
結婚や出産など、ライフスタイルが大きく変化した際に、引っ越しを考える人は多いです。
ライフスタイルが変化すると、住んでいる間取りでは狭く感じたり、収納が不足したりする場合があります。
特に子育て世帯では、子どもの成長に合わせて保育園や学校の通学区域、公園の有無なども重視する傾向があるため、居住地域を見直すきっかけとなります。
また、転勤や転職などを機に引っ越す人も多いでしょう。
近隣トラブルに巻き込まれたとき
近隣トラブルは、日常生活に大きなストレスを与えます。
騒音や振動などの近隣トラブルに悩んでいる場合は、思いきって引っ越すことも選択肢の1つです。
なお、近隣トラブルに巻き込まれた際は、以下の対応を行いましょう。
- 管理会社やオーナーに相談する
- 警察に相談する(改善が見込めない場合)
相談しても解決が見込めない場合は、引っ越しを検討しましょう。
契約更新と引っ越しにかかる費用を徹底比較!
ここでは、賃貸借契約を更新する場合と、引っ越す場合それぞれにかかる費用を比較していきましょう。
契約更新にかかる費用
賃貸借契約を更新するには、主に以下のような費用がかかります。
更新にかかる費用の内訳 | 費用相場 |
更新料 | 家賃1か月分 |
更新事務手数料 | 1万円前後もしくは家賃0.25〜0.5か月分 |
火災保険料 | 1〜2万円程度 |
家賃保証会社の保証料 | 1〜2万円程度 |
更新事務手数料とは、不動産会社に支払う契約更新の事務手数料のことです。
書類作成や手続きにかかる費用として、1万円前後を請求されるケースが多いです。
なお、不動産会社によっては家賃0.25〜0.5か月分を請求されるケースもあるため、詳細は賃貸借契約書の記載内容を確認しましょう。
他にも、賃貸借契約の更新にともない、火災保険や家賃保証会社との契約も更新する必要があります。
それぞれ更新するには、1〜2万円程度かかります。
以上を踏まえて、家賃8万円の賃貸物件の契約を更新する場合、更新にかかる費用は11〜16万円が目安です。
新居への引っ越しにかかる費用
新居への引っ越しには、主に以下のような費用がかかります。
引っ越しにかかる費用の内訳 | 費用相場 |
原状回復費用(2DK・2LDKの場合) | 3〜8万円 |
引っ越し費用(二人暮らしの場合) | 6〜15万円 |
新居にかかる初期費用 | 家賃4〜6か月分 |
それぞれ詳しく解説します。
原状回復費用
原状回復費用とは、賃貸物件の原状回復にかかる費用のことです。
入居者の故意・過失による損傷や汚れは、入居者が修繕費用を負担する必要があります。
2DK・2LDKの間取りでは、原状回復費用として3〜8万円程度かかるでしょう。
なお、賃貸借契約時に敷金を支払っていれば、退去費用は敷金から差し引かれます。
引っ越し費用
引っ越し費用は、引っ越し業者を利用して引っ越す際にかかる費用のことです。
荷物の量や移動距離などで変動するものの、二人暮らしでは6〜15万円程度かかります。
新居にかかる初期費用
新居の賃貸物件を借りる際は、新たに初期費用を支払う必要があります。
賃貸物件の初期費用の内訳と相場をまとめると、以下のようになります。
初期費用の内訳 | 費用相場 |
敷金 | 家賃1〜2か月分 |
礼金 | 家賃1〜2か月分 |
仲介手数料 | 家賃0.5〜1か月分 |
前払い家賃 | 家賃1か月分 |
火災保険料 | 1〜2万円 |
その他の費用 | 家賃0.5〜1か月分 |
合計 | 家賃4〜6か月分 |
以上を踏まえると、二人暮らしで新居の家賃が8万円の場合、引っ越しにかかる費用は41〜71万円が目安です。
つまり、契約を更新せずに新居に引っ越した場合、30〜60万円程度費用が多くかかるため、引っ越しを検討する際は資金計画を入念に立てるようにしましょう。
契約更新や引っ越しに関するよくある質問
ここでは、賃貸借契約の更新や引っ越しに関するよくある質問を3つ紹介します。
- 引っ越し費用が安い時期はいつ?
- 契約更新後すぐに退去したら更新料は返金される?
- 新居の部屋探しはいつから始めれば良い?
それぞれ詳しく見ていきましょう。
引っ越し費用が安い時期はいつ?
2〜4月は不動産業界および引っ越し業界が繁忙期になります。
そのため、繁忙期を避けて5〜1月に引っ越すことで、引っ越し費用を抑えることが可能です。
もし、繁忙期を避けられない場合は、平日の夕方や月初など引っ越し需要が少ないタイミングを狙うと、費用が安くなる可能性があります。
更新後すぐに退去したら更新料は返金される?
賃貸借契約の更新後すぐに退去しても、更新料は原則として返金されません。
契約の更新日までに退去せず、更新料も支払っている状況から、契約の更新に同意したと判断されるためです。
契約期間が満了するタイミングで引っ越す場合は、契約更新日までに退去すると、更新料を支払わずに済みます。
新居の部屋探しはいつから始めれば良い?
新居の部屋探しは、退去予定日の2か月前に始めると良いでしょう。
2か月前から、希望条件の整理や賃貸物件の情報収集をしておくことで、部屋探しをスムーズに進められます。
なお、引っ越す際は新居の部屋探しと並行して、退去の準備も進める必要があるため、余裕を持ってスケジュールを組むようにしましょう。
部屋探しから入居までをスムーズに進めたい人は、以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:部屋探しはいつから始める?部屋探しをスムーズに進めるポイントを解説
まとめ
2年契約の賃貸物件では、短期解約違約金の設定がなければ、いつでも解約して引っ越すことが可能です。
賃貸物件を解約する際は、解約予告期間が設けられているケースが多く、退去予定日の1〜2か月前にオーナーや管理会社に解約を申し入れる必要があります。
引っ越しの最適なタイミングとしては、契約更新のお知らせが届いたときや、ライフスタイルが変化したときなどが挙げられます。
家賃8万円の賃貸物件の契約を更新する場合、約11〜16万円程度の更新費用が必要です。
一方、契約を更新せずに家賃8万円の新居に引っ越した場合、引っ越しにかかる費用は41〜71万円程度必要です。
2年契約の賃貸物件を更新せずに引っ越す場合は、資金計画と余裕のあるスケジュールを立てるようにしましょう。
iimon 編集部